安価なアプリは危険? App Store による、テンプレートで量産されたアプリの“規制”騒動

予算が豊富にあるわけではない中小企業・スタートアップ企業にとって、事業戦略として「まずは費用を抑えてアプリを出したい」という判断になることは珍しくありません。

ですが、2017年は、iPhone・iPad のアプリを公開する App Store で「格安アプリは今後公開できなくなるのではないか」と議論されるような騒動がありました。

そこで、今回はまだご存知のない方、詳しく知らないという方に向けて、「App Store のテンプレート開発規制」一連の流れと今後の考察をまとめました。

アプリ規制の始まりは、たった一文から

2017 年 6 月に開催された「WWDC 2017」の終了後、Apple 社は「App Store Review Guidelines」を更新。海外のメディアがこの事実を報道しました。

参考:Apple cleaning hundreds of thousands of titles from App Store in Review Guidelines crackdown

更新された 4.2.6 の項はこちら。

4.2.6 Apps created from a commercialized template or app generation service will be rejected.

意味としては「テンプレートや自動生成ツールなどを使用して簡易的に量産されたアプリを App Store から削除する」ということです。

Apple の公式発表といえる言葉はあくまでこのガイドラインの一文であるため、アプリの開発者や事業者は解釈に苦労しました。

開発者の間でも偽装メールが出回るなど、年末は各界隈で「これからのアプリ開発はどうなるのか」が議論されました。

そして、まだアプリ事業を手がけていない人や企業にも情報が伝わり始めたタイミングで、Apple 社の「スパムのようなアプリを公開している企業は、2018 年 1 月 1 日までに修正しなければ、App Store から追放する」という方針が報じられました。

日本でも多くのメディアに報じられたことで、非常に多くの人・企業が Apple の意向を理解することになりました。

日本でも情報が広まった直後、Apple から詳しい説明が

2017 年 12 月 20 日、Apple 社は再びガイドラインを更新しました。上記の一文のみだった 4.2.6 の項が、下記のように大幅に加筆されたのです。

4.2.6 Apps created from a commercialized template or app generation service will be rejected unless they are submitted directly by the provider of the app’s content. These services should not submit apps on behalf of their clients and should offer tools that let their clients create customized, innovative apps that provide unique customer experiences. Another acceptable option for template providers is to create a single binary to host all client content in an aggregated or “picker” model, for example as a restaurant finder app with separate customized entries or pages for each client restaurant, or as an event app with separate entries for each client event.

要点をまとめると

  • テンプレートを用いて多くのアプリを開発すること自体を禁止するわけではない
  • ただし、テンプレートを開発する制作会社は、ユーザーが満足するようなアプリ独自の体験を提供することが求められる
  • 費用を抑えてアプリを開発(発注)したい企業は、申請までを開発会社に任せるのではなく「自分たちのアプリ」として公開することを推奨

という 3 点になります。

このニュースは大手メディアの TechCrunch がすぐに翻訳記事を出したことで、日本でも周知されることとなりました。

参考:Apple、批判の的のテンプレート・アプリ禁止条項を修正――実質はほぼ変化なし

この記事にもありますが、Apple の主張自体はガイドラインの更新前と変わっていません。

ですので、引き続き、

  • 「できることが多いほどアプリの品質が高い」とは言い切れないのではないか
  • シンプルなアプリは、デザインや品質にこだわるにも限界があるのではないか
  • これでもなお、ガイドラインとしては内容が不明瞭ではないか

という点が議論の的となっています。

アプリを活用したい企業がそれぞれ今後注意すべきこと

以降は続報もなく、2018 年は昨年末に公開されたガイドラインに沿ってアプリを開発することが求められています。

2017 年といえば Google 社も検索エンジンのアルゴリズムに手を加え、医療情報に関する不正確な記事を配信するニュースサイト・ブログの順位を大幅に下落させました。

Apple 社と Google 社という二大プラットフォームの方針には「ユーザーが満足できる体験を提供すること」「専門家自身が積極的に発信すること」という共通点があるようにも見受けられます。

そして Google という検索エンジンが具体的な判断基準を公開しないのは、「その条件さえクリアすれば、あとは自社の利益だけを追求できる」という “攻略” ゲームになってしまうことを回避するためでもあるはずです。

今後 App Store のルールがどうなるかはわかりませんが、制作会社も発注企業も「とにかく安く作れれば良い」「中身は現行の Web サイトと同じでいい」という考えでアプリに参入することは危険になってきているといえます。

BackApp は制作会社として、ただ安いだけではなく、ユーザーにとって最適なアプリを開発していくことを改めて意識するきっかけとなりました。

ただお客様から言われた通りに開発して面倒な作業を代行するのではなく、お客様のアプリ事業のパートナーとして、自社でアプリを運用していけるようになるためのお手伝いをさせていただきたいと考えています。

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