これまで Android アプリといえば、審査自体はあるものの、苦労することは少ないものでした。iOS は誰しも一度はリジェクトを経験しているようなもので、リリース日が決まっている場合はどこか緊張感のようなものがありました。
2019 年からはいよいよ Android アプリの審査も本格的に始まりましたが、「即日で終了した」という声から「一週間ほどかかっている」「土曜日に通過の連絡が来た」という声まであります。
2022 年の現状、わかっていることは
- 対象:すべての Android アプリの新規公開およびアップデート(meta 情報の修正含む)
- 審査期間:約 2 営業日以内。コロナの影響により現在は最大 7 営業日程度(※後述)
- 休日:基本は土日祝は休みだが、担当拠点によって差があり
審査チームはアメリカではなくグローバルチームが担当するため、アメリカの現地時間での平日・営業時間内に審査が進むわけではないようです。
1. コロナ禍により Android アプリの審査期間は想定より長いことも?
2022 年 3 月時点、新型コロナウイルス感染症による影響から、アプリの審査に時間がかかっているようです。
現在、勤務時間の調整が実施されているため、アプリの審査に通常よりも長く時間がかかっております。恐れ入りますが、あらかじめご了承のほどお願い申し上げます。
審査は最大で 7 日程度、例外的に 7 日以上かかる場合もあると記載されています。連休を挟む場合や、アプリのリリース日程が決まっている場合は余裕をもって申請しましょう。
詳しい内容と最新情報については、Google Play Console ヘルプで確認してください。
参考:https://support.google.com/googleplay/android-developer/answer/9859751?hl=ja
1-1. Google はアプリを「子供の興味を引くか」で分類し、ポリシーに準拠しているか審査をしている
現状の Google Play では、Android アプリを
- 子供から大人まですべての人を対象
- 主に 13 歳未満の子供が対象
- 14 歳以上を対象(子供を対象にしていない)
の 3 つに分けて扱っており、上の 2 つは 2019 年 9 月から新しいポリシーを準拠することが義務づけられました。完全な大人向けアプリの場合は影響が小さいため、審査が早めに通過したというケースもあります。
ポイントは、大人向けのアプリは仕様面での影響は小さいものの、「ストアで 13 歳未満の子供の興味を引かないように公開されていること」が条件になっています。
Google Play に公開する PR 用の画像・動画とテキストも審査対象になっているため、エンターテイメント系のアプリはレーティング設定だけをすれば即日審査が通るというわけではないようです。
現在は、Google Play に Android アプリを申請する際、対象年齢を設定した後に「子供の興味を引く」という項目で
- 「はい、ストアの掲載情報は子供の興味を引く可能性があります」
- 「いいえ、ストアの掲載情報は子供の興味を引きません」
を選ぶことになります。14 歳以上を対象にしているアプリでも、「いいえ」を選ぶと、Google Play 上の meta 情報に審査が入ります。
ここで「はい」を選ぶと、アプリストアの掲載情報に「このアプリは子供向けではありません」というラベルが表示されることで解決されるようです(2022 年 3 月頭時点)。
(左:大人・子供すべてに向けてポリシー準拠で公開 / 右:大人向けかつラベルで meta 情報の審査をスキップ)
1-2. 新規アプリのリリース日を手動で決める方法 Google Play 公開日の指定方法
iOS アプリでは審査通過後に公開作業を行うことになりますが、Android アプリは審査が通過すると自動で公開されます。
どうしてもリリース日が動かせない案件の場合は、クローズドトラックに一度公開して審査をしてもらい(通過しても非公開状態)、リリース日に製品版へプロモートするというフローになります。
参考:Google Warns Developers that All New Android Apps Require Three Days for Approval
いずれにせよ開発側としてはスケジュールに余裕を持たなければならないため、iOS に比べるとまだ不慣れな分「Android は公開延期」という状況に陥るリスクもあります。
2. Android アプリのリジェクト基準・審査のガイドラインとは?
Google からは以下のデベロッパーポリシーが公開されています。
参考:https://play.google.com/intl/ja/about/developer-content-policy/index.html
よくあるリジェクトの理由として
- Google Play Store 内の他アプリへのリンクがある
- アプリの説明分にキーワードを詰め込みすぎ
- メンテナンスされていない、機能が動作しないアプリ
- Webview で見せているだけのアプリ
上記はほんの一例ですが、事前にポリシーを理解することで回避できるものも多いです。 ポリシーは随時更新されるので、こまめに最新情報を確認しましょう。
また、 Googole Play Academy ではポリシーをはじめ、デベロッパーに必要な知識を e ラーニングで受講することができます。 Google のアカウントがあれば誰でも無料で受講できるので、ぜひ活用してみてください。
2-1. 「WebView で見せているだけ」「低品質」などの具体的な基準は不明だが…
アプリストアの審査基準の中で最も苦しめられるのは、上記の中でも「Webview で見せているだけのアプリ」という点でしょう。
まずはミニマムの機能でスタートする場合、テンプレートをそのまま落とし込んだようなアプリになるケースも無くはありません。
この問題は 2017 年、Apple が「安易に量産されたアプリは審査を通さない」「翌年明けまでに修正しなければ、App Store から削除する」と宣言したときから定期的に話題に挙がります。
Apple 社は iOS アプリの審査ガイドラインを定期的にアップデートしていますが、「結果的にテンプレートのようになってしまう」という問題に対してはやはり具体的な回答はありません。
参考:格安で自社アプリ開発も可能?テンプレート・パッケージサービスを使うメリットとリスク
具体的なリジェクト基準こそ不明ですが、できる対策としては
- Web ブラウザをアプリ化しただけで終わらず、+αの付加価値をつけて UX を担保する
- 「品質」面だけにとらわれず、何かしらのバグ、meta 情報のミスなどがないか改めて確認する
という点に尽きるでしょう。

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