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アパレル業界のアプリ活用事例6選と、提供できるメリット・開発費用相場を解説

アプリ活用事例
2025.02.17
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    今やアパレル商品を買う手段として、「店舗」「 Web 」 「アプリ」など、複数の媒体を併用することが一般的になっています。消費者がそれぞれの媒体を使い分ける中で、企業はどの媒体でどのような施策を行うべきかを見極めることがますます重要になっています。

    特に「アプリ導入」については、その費用対効果に関心を持つ企業が多いのではないでしょうか。そこで今回は、アパレル企業とアプリの親和性について、細かいデータを交えてご紹介いたします。

    さらに、実際にアプリを活用して成功した事例や、その際に使われた機能の深堀りを行い、どのようにして顧客満足度を向上させ、売上を伸ばしているのかを具体的に解説します。また、アプリの構築費用の相場や、コストを抑えるポイントなどをまとめていきます。

    1. アパレル業界でアプリ活用が盛んな背景

    経済産業省が発表した「令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果」によれば、日本国内における 「消費者向け電子商取引」の市場規模は、 24.8 兆円(前年比 9.23 %増)となっています。

    物販系分野の内訳をみてみると、「衣類・服装雑貨等」は、 2 兆 6,712 億円(前年比 4.76 %増)となっています。年々増加傾向にあり、今後もアパレル業界において、 EC の売上規模が増えることが予想できます。

    出典:令和5年度電子商取引に関する市場調査

    1-1. ECとアプリの相性がいい

    2024 年の Adjust の調査によると、日本における E コマースアプリの平均アプリ内滞在時間は約 10 分とされています。また、世界の E コマースアプリのインストール数のうち、 63.5 % がショッピングアプリを占めていることから、 EC 機能をもったアパレルブランドのアプリは非常に相性が良いとされています。

    出典:モバイルアプリトレンド 2024 (Adjust)

    また、Repro 株式会社の「ECサイトについての利用実態調査レポート 2024」では、店舗とアプリではどちらを優先的に使うかという質問では、「Web サイトを優先して利用する」が 35.9 % に対して、「アプリを優先して利用する」が 43.4 % であることがわかりました。

    出典:ECサイト利用実態調査2024 (Repro)

    僅差ではありますが、アプリを優先して利用する顧客の方が多いことから、アプリはユーザーとの関係を深める上でも非常に有効であると認められます。 さらにアプリでは、読み込みや画面遷移を最適化しやすく、ユーザーがストレスなくスムーズに回遊できるため、離脱率を下げやすくなります。その結果、購入までの CVR(購入率)も向上する傾向にあります。

    関連記事:ECサイトをアプリ化するメリットとは?読み込み高速化やプッシュ通知の効果に注目 (当社ブログ)

    1-2. 実店舗と EC を行き来する顧客も多い

    購入したい商品にもよるのですが、「アプリで情報をみてから実店舗で質感・サイズ感を確認して買う」という「ウェブルーミング」や、「実店舗で実物の商品を確認をした後、アプリのクーポンを使ってアプリで購入する」という「ショールーミング」で購入する顧客が存在します。

    ※ ウェブルーミングとは: 顧客がオンライン上で商品の情報を収集して確認し、実店舗で購入するパターン。家電製品を買う時にこのパターンがよくあります。
    ※ ショールーミングとは: 顧客が実店舗で欲しい物を検討し(アパレルでいうと、フィッティング)、オフラインで購入するパターン。

    Criteo(クリテオ)の「ショッパーストーリー2022」では、消費者のうち、 68 % がウェブルーミングであり、 72 % がショールーミングであると発表されています。

    この数字が何を意味するかというと、実店舗があるアパレルショップは自社 EC アプリを持つことで相乗効果を生みやすいということです。

    ショールーミングが増えている事に対し、他企業で似たような安価な商品へ顧客が流れてしまうという懸念点もありますが、価格以外のアピールポイントで差別化して商品の価値を提供することが重要です。

    出典:Criteo、進化し続ける消費者のショッピング動向に関する調査レポート 「ショッパーストーリー2022」を発表

    1-3. 紙→デジタルの効果が高い

    紙のスタンプカードからデジタル会員証へ切り替えることで、顧客がスタンプカードを紛失するリスクが減る上に、企業側が顧客の購入データを収集してマーケティングや顧客管理に活用できるようになります。

    また、常連顧客にのみハガキでセール情報を通知していた従来の方法では、スマホで情報を入手してスピーディーに購入できる今の時代にはマッチしているとは言えません。

    自社アプリを DL してもらい、プッシュ通知を通じてブランドを想起させるアイコンからアプリを起動し、気になる商品やセール情報を見てもらう方が効果的です。

    2. 基本的な機能

    自社アプリを運営する上で、おさえておきたい基本的な機能をみていきましょう。

    2-1. ポイントカード(デジタル会員証)

    ポイントカードやデジタル会員証は、顧客の購買履歴や属性情報を収集することで、接客対応や商品開発に活かすこともできます。

    また、 iOS/Android のネイティブアプリ以外にも、「LINE マイカード機能」を活用するケースも増えています。顧客が企業を LINE 上で友だち登録するだけでデジタル会員証が使えるようになるので、ブランドの立ち上げ初期などにおすすめです。

    いずれも、レジ精算時にアプリ内の QR コードやバーコードをスキャンしてポイントを付与するシステムが一般的です。

    *関連記事会員カードをアプリ化するメリットとは?「デジタル会員証」の事例と導入のポイント

    2-2. プッシュ通知

    アプリのプッシュ通知機能は、従来のメールや紙のチラシ・ DM と比較して即時性に優れており、最新のキャンペーンやイベント情報、新商品や季節ごとの案内などをタイムリーに届けることができます。

    img - プッシュ

    特に、数日間限定のセールや緊急のお知らせといった、リアルタイム性が求められる情報配信において効果的です。さらに、アプリに顧客の「好きな色」「ブランド」「テイスト」や「身長」といったデータを登録してもらうことで、顧客に応じたプッシュ配信をすることが可能になります。

    顧客一人ひとりの好みに合わせた情報を届けることで、通知の開封率やクリック率が向上し、その後の購入に繋がる確率も高まります。

    関連記事プッシュ通知の役割とは?事例と開封率のコツを解説

    2-3. デジタルクーポン

    紙のクーポンは失くしたり忘れたりといったことが多い一方で、デジタルクーポンにすることでスマートフォン内に保存でき、さらに店舗側はクーポンがどれだけ使われたかの集計もしやすくなります。

    また、クーポン配布条件も「アプリの会員登録完了後に配布」「来店回数の多いアプリ会員へ特別に配布」など、クーポン配布条件を企業で細かく指定できます。

    アパレルアプリだけでなく、アプリを活用して会員ランクごとにクーポンの内容を変え、貢献度の高い顧客に対して割引クーポンを配布する事例も多いです。

    2-4. アプリ内メッセージ

    企業のマーケティング戦略において、アプリ内メッセージの機能もプッシュ通知と並んで重要かつ効果的な機能です。

    img - アプリ内メッセ

    アプリを開いているユーザーに対し、リンクつきのメッセージ配信が可能なため、「会員登録を完了するとクーポンがもらえます」といったメッセージを配信し、メリットを伝えながら会員登録へ誘導する使い方は鉄板です。

    また、アプリに EC 機能がついている場合、「ブランドを指定して検索できるようになりました」や、「低身長向け・高身長向けのカテゴリーで検索可能です」など、機能のアップデートを伝える手段や即時購入への誘導を目的として、有効に活用されています。

    その他、アプリ内メッセージ内に二択のスライドショーをつけることで、顧客が選んだ好みに合わせて商品を提案することも可能です。

    関連記事アプリ内メッセージとは?プッシュ通知との役割の違いと使い方の事例・ポイント

    3. 先行企業のアプリで見られる機能

    では、実際にアパレル業界で先行している企業では、アプリにどのような機能を導入しているのでしょうか。

    3-1. 抽選・先行予約

    まず「抽選機能」ですが、ナイキの SNKRS アプリに代表されるように、購入希望者の中から抽選で当選者のみが商品(スニーカー)を購入できる機能です。そして「先行予約」は、発売前に事前注文を受け付け、発売日以降に購入者へ商品を発送する方法です。

    これらの販売方法により、企業側は事前に在庫数や販売状況を把握しやすくなり、売上予測が立てやすいというメリットがあります。さらに、抽選機能や先行予約機能は、商品の希少性やプレミアム感を演出することで、顧客の購入意欲を高め、ブランドの価値向上にも寄与します。

    3-2. 店舗ごとの在庫確認・取り置き

    皆さんもご経験あるかと思いますが、アパレルアプリでは、顧客がサイズやカラーを選択すると、店舗ごとに在庫の有無が確認できる機能が一般的になっています。

    さらに、在庫確認に加えて「取り置き機能」を活用することで、顧客は希望する商品を事前に確保でき、安心して店舗に来店することができます。取り置きの申し込み後、店舗スタッフが商品を準備する流れが一般的です。この仕組みは、顧客体験の向上だけでなく、店舗への来店促進にもつながります。

    3-3. データ分析

    アプリインストール後には、顧客に個人情報や嗜好を登録してもらうだけでなく、「商品をカートに入れた」、「アプリで2回以上購入した」といったアプリ内の行動データや、実店舗での購買データを活用して、顧客を深く理解する必要があります。

    そのためには、マーケティングツールやデータ分析ツールをアプリに組み込むことで、より精度の高いデータを収集し、適切に活用することが重要です。

    例えば、化粧品店では、店舗で会計中にアプリの会員証バーコードをスキャンすることで、顧客の過去の購入履歴を瞬時に確認することができます。このデータを活用すれば、購入後に配布する新商品のサンプルを顧客の好みに合わせて選定することが可能です。

    「接客中の会話から好みを把握できるのでは?」と思われるかもしれませんが、すべての顧客と十分な会話をするのは現実的ではありません。そのため、会計時にデータをもとに個々の顧客に最適な対応を行う仕組みが効果的です。

    さらに、顧客別の購買行動特性を分析することで、より顧客のニーズに沿った接客や商品開発が可能になります。

    このような取り組みは、顧客満足度の向上だけでなく、販売機会の拡大にもつながります。そして、最終的には蓄積されたデータをもとに需要を予測し、生産量や在庫を最適化することが理想とされています。

    4. アパレル・ファッション業界でのアプリ活用事例

    では、アパレル業界で有名な企業のアプリにどういった特色があるのかをみていきましょう。

    4-1. ユニクロ

    アパレル業界のアプリの筆頭事例といえばユニクロといえるほど、アプリは作りこまれています。

    トップ画面のカテゴリーアイコンで簡単検索

    ユニクロの代名詞ともいえる「ヒートテック」や「エアリズム」は、ブランドの中でも知名度が高く、多くのユーザーにとって欠かせないアイテムです。

    これらの商品は、トップ画面に専用のアイコンが配置されており、「インナー肌着」カテゴリー内から探す手間を省き、直接「ヒートテック」や「エアリズム」商品にアクセスできる工夫がされています。

    AI チャットボットで多角的なサポートを提供

    2021 年から導入された「チャットボット IQ」は、オンラインショッピングをサポートする便利な機能です。一般的な FAQ 機能に加え、「売れ筋ランキング」や「期間限定特別価格」の情報も掲載されています。

    特に便利なのがサイズ選びをサポートする機能です。「カメラ計測」機能を使い、写真を撮影することで、より正確なサイズアドバイスが得られます。この高度な AI 機能により、店舗に足を運ぶことなく、自宅で安心して購入を進められる環境が整っています。


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    このように作りこまれてユーザー評価も高いアプリだからこそ、アプリ会員と実店舗利用にまつわる興味深いデータがあります。

    株式会社モニタス(旧、株式会社スパコロ)によると、 2021 年、全国 15~ 59 歳、 1,934 名を対象に実施した「ファストファッションアプリ利用についての調査」では、 ユニクロの公式アプリが、以下の画像の 6 つのブランドの中で最もアプリの利用率が 30.8 % 、 1 年以内購入率も 51.4 % と非常に高いことがわかりました。

    img - ユニクロ1

    さらに、公式アプリ利用者の半年以内実店舗利用率に焦点をあてると、

    img - ユニクロ2

    • ユニクロ公式アプリ利用者の半年以内実店舗利用率 79.0 %
    • ユニクロ公式アプリ非利用者の半年以内実店舗利用率 30.3 %

    アプリ非利用者に比べて、アプリ利用者は半年以内の店舗利用率が 2 倍以上あることがわかりました。

    さらに、「あなたはこの企業の商品やブランドを親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?」という顧客のロイヤリティーをはかるネット・プロモーション・スコア(NPS)を算出しました。

    img - ユニクロ3

    その結果は、

    • ユニクロ公式アプリ利用者の NPS - 10.1
    • ユニクロ公式アプリ非利用者の NPS - 29.0 %

    ※ 日本では、評価を中間につける人が多い傾向にあるため、 NSP はマイナスになりがちです。算出方式:(推奨者数)-(批判者数)

    この数値からわかることは、アプリ利用者の方が、「企業や商品、ブランドを他の人にすすめたい」という思いが高く、ロイヤリティーも非常に高いことが明らかです。 さらに、アプリ利用者の方が非利用者と比較した際、店舗利用率も高いという結果になっています。

    出典:ファッションアプリ利用率ランキング!3位は「しまむら」、2位は「GU」、1位は?アプリ利用とブランドロイヤルティの因果関係とは

    4-2. アプリの内製化で成功をおさめている and ST(アンドエスティ)

    株式会社アダストリアは、 2024 年 12 月 1 日付で、 100 % 子会社である株式会社アンドエスティへ、 EC モール運営を中心とした「and ST(アンドエスティ)」事業を継承しました。

    今までアダストリアが運営していた「. ST(ドットエスティ)」は、同企業のブランド販売を展開していたのですが、「and ST(アンドエスティ)」にブランド名を変更すると共に、他企業の出店を拡大しています。

    では、アプリの機能をみていきましょう。

    店舗在庫

    「在庫あり」と「残りわずか」と表示されます。在庫がない店舗の場合は表示されません。アプリで見た際に、「欲しい」と思ったものが店舗になければがっかりしますが、事前に在庫があるとわかった上で店舗に足を運ぶことが出来れば、購入時の満足度も高くなります。

    試着申込

    アプリで 10 アイテムまで、 and ST ストアに取り寄せて試着ができます。アプリ上に「試着申込」ボタンが表示されていれば、異なるブランドでも一つの店舗に取り寄せて、日付を指定して試着することができます。

    img andST

    出典:and ST SERVICE

    商品についての質問

    「サイズ感」や「デザイン」、「お手入れ方法」などのカテゴリに分かれており、アプリから質問することができます。特にサイズ感は、すでに購入した人からアドバイスをもらえるため、非常に参考になります。

    また、回答者は、アプリに回答が掲載されると 10 ポイントもらえる仕組みになっています。購入を考えている人と購入した人との交流の場を作ることで、よりアプリ利用の活性化につながります。


    上記の機能をみると、購入を考えているものを一度で試着できることや、在庫を確認した上で店舗に足を運べること、オンラインで商品を買う際の参考になるアドバイスなど、消費者のニーズに寄り添った機能が提供されています。

    4-3.洋服の青山アプリ

    メンズやレディースの店舗販売やオーダースーツを手がける青山商事が運営するアプリです。

    2024 年 3 月の決算説明会資料によると、「洋服の青山アプリ」と若い世代をターゲットにしている「SUIT SQUARE アプリ」を合わせたアプリ利用者数は、アプリ導入開始の 2021 年から 2023 年にかけて、約 200 万人の増加がみられます。

    img - aoyama

    出典:決算説明会資料 2024 年 3 月期決算説明会

    スーツを購入するには、サイズやフィット感が非常に重要なポイントになってくるため、より購入後のイメージがつきやすいような下記のような機能が搭載されてます。

    • 「身長」や「性別」、「店舗」で絞って検索し、スーツを着用しているスタッフをみることができる
    • 「マイサイズ」登録機能により、自分のサイズを予めアプリに登録することで、自分にあったサイズの商品一覧をみることができる
    • 「来店予約機能」により、オーダースーツの相談や採寸に必要な枠を予約することができる
    • アプリ起動時、アプリ内メッセージによる「占いコンテンツ」などを設けることで、開くことへの楽しみを提供している

    また、購入頻度があまり高くない故、アプリを毎日開かないであろう問題に対しても、「占いコンテンツ」やログインボーナスによるスタンプ付与をすることで、毎日ログインしてもらえるような工夫がされています。

    4-4.実店舗はないが、ブランドの認知度が高くアプリも成功しているレディースファッションアプリ GRL(グレイル)

    10 代から 20 代前半をターゲット層にしているブランドです。価格帯も手頃でありながら、大手ファッションストアとは異なるデザインの物が多く、若い世代から指示されています。

    また、若い世代から人気のコスメを取り揃えることで、アプリひとつ入れるだけで流行りについていくことができます。

    実店舗がないため、「スタンプ」や「店舗検索」機能がなく、シンプルな作りになっています。 ですが、下記のように SNS を有効活用する方法や、商品検索機能が充実しており、「予約販売」や「再入荷」は、プッシュ通知機能を利用して欲しいものをすぐに購入できる仕組みがしっかりと作りこまれています。

    • インスタグラムに掲載されている着用商品は、すぐに購入画面へ遷移するため、購入決定にかかる時間ロスを防げる
    • お友達に EC サイトを紹介し、お友達が商品購入完了して発送されたタイミングでポイントが付与される(紹介人数に制限なし、不特定多数に紹介も可能)
    • 検索機能の「在庫状況」フィルターにより、在庫があるものだけ表示することができる(サイズやカラー、価格指定も細かくできる)

    img - GRL

    出典:GRL(グレイル) レディースファッション通販

    4-5.プッシュ通知やアプリ内メッセージでパーソナライズする BAYCREW'S

    BAYCREW'S は、中間から高価格帯の商品を扱うアパレルブランドで、幅広いターゲット層を持つ点が特徴です。アプリの UI は、特に特定ブランドを好んで購入するユーザーにとって便利な設計となっています。ヘッダー部分にはお気に入りのブランドを登録・表示できる機能があり、毎回スムーズに目的のブランドへアクセスできます。

    機能面では、日々の着こなしに役立つ工夫が凝らされています。例えば、季節の変わり目や服装に迷うような天候の日には、天気予報とともにおすすめのコーディネートをプッシュ通知で届けてくれます。

    アプリ内の会員カードを開くと、アプリ内メッセージで「お天気コーディネート」が表示され、コーディネートの参考になります。 コーディネートに含まれる着用アイテムは、アプリ内でそのまま購入できるため、円滑なショッピング体験を提供します。

    img - BAYCREW'S

    出典:【アプリ限定!毎日更新】お天気コーデ&12星座占い

    4-6.Snow Peak

    数あるスポーツ用品やキャンプ用品ブランドの中でも、きちんと機能性をもたせつつ、アパレル要素としてのデザインも高く人気のあるブランドです。

    このアプリは、特に「修理・ケア」機能が非常に優れています。以下のことをアプリで指定して確認できるため、ユーザーに寄り添った機能になっています。


    • 修理してほしい部分を写真で添付し、メモを書いて伝えることができる
    • 引き渡し方法(店持ち込み・集荷引き取り)と修理後の受け取りを指定できる
    • 修理金額の上限を設定することで、上限以下の場合は、すぐに修理を進めてもらうことができる
    • アプリで修理状況のステータスを確認できる

    img -snowpeak

    出典:アプリでの修理の依頼方法を教えてください

    5. 開発費用の相場と注意点

    アプリの企画・開発にあたってよくご相談頂くのは、「どれほどの予算が必要なのか」「そもそも自社のようなアプリの開発費の相場がわからない」というコスト面でのお悩みが多いです。

    アプリは構築手法や新規開発なのか、機能追加であるかなど、仕様や開発期間によって金額が異なるため、一概にいくらと断言できるものではありません。

    ですが、 SPD LOAD のデータによると、アプリ開発の平均コストは 30,000 ドル(約 500 万円)から 400,000 ドル(約 6,000 万円)、EC アプリは 60,000 ドル(約 1,000 万円)から 250,000 ドル(約 4,000 万円)とされています。

    出典:How Much Does It Cost to Build an App in 2025

    費用について、もっと詳しく知りたい方はこちらのブログをご参照ください。

    関連記事【アプリ事業の予算組み】iOS/Androidアプリ開発費用の目安と、外注・委託時の注意点

    5-1. EC は既存の Web を活かすことが多い

    アプリに EC 機能を組み込みたい場合、ネイティブで一から開発を行うと、開発コストが非常に高くなる上に運用の手間がかかります。

    そのため、既存の EC カートシステムや Shopify などで構築した Web サイトを、アプリの WebView 機能で読み込む方法が一般的です。 WebView 機能をアプリに組み込むことで、費用を大幅に抑えることが可能です。

    また、 WebView の活用は開発コストだけでなく、運用面の効率化にもつながります。既存の EC サイトの更新がそのままアプリにも反映されるため、管理が容易でありながら、ユーザーにはアプリでも Web でも一貫した購入体験を提供できるというメリットがあります。

    5-2. ノーコードパッケージで初期費用を削減

    投資に対して効果が出やすい領域なので、最終的にはアパレルブランドの EC 機能つきアプリは内製で作りこむのがおすすめです。とはいえ、まず自社アプリを作ってみるという段階では、フルスクラッチ開発(オーダーメイド)では予算をオーバーすることが多いです。

    費用を抑えつつ、アプリを制作するなら、当社の「Pasta」のようなノーコードパッケージがおすすめです。

    自社のテンプレートを利用して開発を手がけるため、短期間で開発が可能で、初期費用を半額以下で抑えることができます。節約した開発機能は、運用開始後に新しくでてきた要望に対する追加開発にまわすこともできます。

    5-3. カスタマイズ性も重要

    先行事例を見ても、アパレルアプリで成果を上げている企業は、いずれもデザインや機能を丁寧に作り込んでいます。これは、アプリユーザーユーザーの兆候にあったデザインや機能が求められるということです。

    つまり、アプリユーザーのニーズや利用傾向に合ったデザインや機能を提供することが必要不可欠だということです。

    単にノーコードツールのテンプレートを利用して初期費用を抑えることだけを目的にすると、短期的にはコストメリットが得られるかもしれませんが、中長期的な成功にはつながりにくいといえます。

    競争力のあるアプリを目指すのであれば、必要に応じて柔軟にカスタマイズできる環境を整え、継続的な改善を行う仕組みを構築することが求められます。

    6. まとめ

    アパレル業界におけるアプリ活用は、 EC サイトや実店舗との相乗効果を生み出し、顧客体験を向上させる重要な手段となっています。

    デジタル会員証やプッシュ通知、抽選・先行予約機能など、アプリが提供する多様な機能は、顧客のニーズに応じて適切に導入することが求められます。また、アプリを通じたデータ分析は、顧客行動の理解を深め、接客や商品開発の質を高める一助となります。

    さらに、開発コストを抑えつつ柔軟なカスタマイズを可能にするノーコードや WebView の活用、そして競争力を維持するための継続的な改善が、成功するアプリ運用の鍵となります。

    アプリ開発は単なるツールの導入にとどまらず、企業の成長戦略を支える基盤となります。競争の激しいアパレル業界において、ユーザーとの接点を拡大し、ブランド価値を高めるために、アプリの導入や見直しをぜひ検討してみてください。

    BackAppでは、約 200 社の開発実績を元に、お手軽な価格で機能性・カスタム性を確保したアプリパッケージ「PASTA」を提供しています。 フルスクラッチ開発も手掛ける制作会社のため、パッケージ型のアプリサービスを手掛ける他社に比べて、運用中に発生する「こんな機能が欲しい」「こんなデザインにしたい」といった要望に柔軟にお応えできる点が強みとなっています。

    初期費用を抑えて導入しつつ、社内のニーズに応じて柔軟に提案・拡張できますので、アプリを導入したいという場合はぜひ一度お気軽にご相談ください。

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    • 「自社アプリを考えているが、初期投資を抑えてまずは試してみたい」
    • 「LINE からの PUSH 配信で顧客と継続的に接点は作れているが、費用対効果が見合わなくなってきた」
    • 「安すぎるシステムだと動作速度や拡張性などが不安」

    といったお悩みを抱えている企業様に向けて、ノーコードでアプリを開発するサービス「PASTA」を展開しています。