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ECサイトをアプリ化するメリットとは?読み込み高速化やプッシュ通知の効果に注目

アプリのメリット/できること
2022.11.01
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    最終更新日: 2022年 11 月 1 日

    EC サイトを運営する企業様からよくご相談をいただくのは、スマートフォンでアクセスするユーザーへの対応です。

    Web サイトを閲覧するデバイスの割合でいえば、PC の比率は年々下がっています。各企業が “スマホファースト” の方針で Web 改修や SNS 運営を行っている時代ですが、アプリ化となるとなかなか踏み切れないのが現実。

    結論から言えば、「店舗アプリに比べて難易度は高いものの、やるべきことをやれば数値的には Web ブラウザより改善でき、他のメリットも得られる」という傾向があります。

    そこで、今回は EC サイトをアプリ化した際に得られるメリットに加え、その成果を出すために注意すべき点を簡単にご紹介します。

    より詳細な PDF 版も無料でダウンロードいただけますので、ぜひ社内で共有するための資料としてなどお気軽にご利用ください。

    1. EC アプリの役割と、自社のアプリを持つメリット

    EC アプリに限らず、大まかな役割分担としては

    • 他社のプラットフォーム:認知拡大・新規顧客の獲得
    • 自社の Web:新規顧客の接客・印象付け
    • 自社のアプリ:既存顧客の訪問頻度および単価等の向上

    という使い分けが一般的です。

    img - ファネル図

    SNS や EC モールで認知を獲得しながら徐々に自社の Web サイトに誘導し、顧客単価と頻度を伸ばしていくという戦略は EC 事業者の定石です。アプリはその流れのまま、Web よりも顧客の “囲い込み” を狙う役割になります。

    「アプリを作って運用するコストに見合う価値はあるの?」というご相談も受けますが、

    • ログイン状態を保持できるため、特定の条件下でアプリ内メッセージ(ポップアップ)を出すなど、きめ細かいデジタル接客に向いている
    • ページの読み込みを高速化しやすく、回遊中のストレスによる離脱を減少させられる → 滞在時間と CVR(購入率)が伸びる
    • PUSH 配信で購入検討中や初回購入後の顧客をフォローしつつ、継続的に接点を持てる
    • 顧客の詳細な行動データが残るため、EC の施策のみならず経営戦略や商品開発にも役立てられる可能性がある

    と、Web サイトにはないメリットがあります。

    img - まとめ

    1-1. UX(ユーザー体験)向上によって滞在時間と CVR が伸びる

    2021 年の全世界の EC アプリの平均滞在時間は約 11 分と、Web ではなかなか達成できない数値になっています。また 2020 年以前のデータですが、カート追加率などもアプリのほうが高いというデータが残っています。

    そして、全世界を対象にした最新の EC アプリ調査では、コンバージョン(購入完了)率はアプリが Web の 5 倍ほどの数値になっています。

    情報量が多い EC サイトをスマートフォンの Web ブラウザでそのまま読み込むのは動作速度などの面でベストとは言えません。商品検索機能などをネイティブで作りこむことで、ユーザーにメリットを提供でき、滞在時間や CVR も伸ばすことができます。

    1-2. 定期的に自社製品(カタログ)ページに触れてもらえる

    EC を含まない店舗アプリと同様に、PUSH 配信によって継続的に接点を創出できる点も大きなメリットになります。

    自社アプリの場合、「7 日間起動していないユーザーに配信」「ある商品をお気に入り登録しているユーザーに配信」など、会員の情報・行動履歴・ステータスなどから手動あるいは自動でプッシュ通知を届けられる(※構築方法次第)というメリットがあります。さらにお気に入り商品の値引きやセール情報などを配信する場合、PUSH 配信から購買行動につなげやすいことも強みです。

    また、マーケティング施策が成功し、顧客に愛されているブランドの事例では、雑誌を読む感覚で EC アプリを起動するため、週次リテンションが 50% 程度になることもあるそうです。この状態は EC アプリの一つの理想形といえます。

    参考:ノーコードツール「Appify」の生死を分けた顧客層のピボットと、成功ECが「抽選販売と今買う理由」を大事にするワケ(アプリマーケティング研究所)

    1-3.「ハイブリッド購買行動」をする顧客が増えているため、ニーズに応えやすい

    アメリカの広告会社・Criteo の調査では、、EC アプリと実店舗の両方で購入する顧客が 2019→2021 年の間に 5~21% 増加した(2022 年レポ―ト)とされています。

    「店舗で欲しい商品を見つけたら EC で買う」「EC で下調べをして、店舗で実物を確認してから買う」という購買行動は近年注目を集めています。モールでは載せづらい商品の詳細な情報を自社 EC に載せることで、顧客のニーズに応えられる=メリットを提供できます。

    また、両方で購入する “ハイブリッド” な顧客は年間の顧客単価が高く、売上に占める割合が大きい(2018 年レポート)という調査結果も見逃せません。

    2. EC アプリのメリットを実感するために、企業がやるべきこと

    EC アプリに限らず、iOS/Android アプリ事業全般に言えることですが、「アプリのメリット」を実感するためには

    • 個客に「アプリを使う意味がある」と思わせる品質
    • スパムにならず、個客に受け入れられる PUSH 配信やアプリ内メッセージの工夫
    • 実店舗・SNS・Web との連携

    といった点が重要になります。

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    2-1. 店舗アプリ以上にシステム品質と運用が重要

    店舗情報を配信するだけのアプリと異なり、EC アプリは顧客の滞在時間が長くなる分、顧客からシビアに「使い勝手」を判断されます。ただ Web サイトをそのままアプリ化しただけのような品質だと、顧客にとって利用するメリットが小さくなってしまいます。

    Appsflyer や Statista の調査では、全世界のアプリの 30 日間の平均的なリテンション率(再訪する割合)は 15~20% となっています。

    特に半数程度のユーザーはダウンロード 1 日目でアプリ利用を辞めてしまう傾向にあるため、「顧客の囲い込み」という目的を果たすためには「一定水準の品質のアプリを構築した上で、マーケティング施策も注力する」という前提も必要となります。

    2-2. PUSH 配信などマーケティング施策を「顧客ファースト」で

    Pushwoosh の調査では、一般的な EC アプリは週に 6~12 回の PUSH 配信(※発送通知など、自動配信は含まない)が行われているそうです。

    一般的なスマホアプリの施策としては、プッシュ通知に絵文字を使ったり、画像を添付する「リッチプッシュ」は有効です。

    一方、Pushwoosh の業界別データを読むと、EC アプリだけは絵文字やリッチプッシュで顧客の反応が良くならなかったとされています。

    Amazon・SHEIN・Ali Express など世界的な EC モールアプリがさまざまな施策を試している分、ユーザーのリテラシーが上がっており、トレンドも変化していることも伺えます。EC アプリで結果を出そうと思うと、自社ブランドの顧客が求めるものを探りながらきめ細かいデジタル接客を練っていく必要があるといえます。

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    2-3. SNS や Web など、アプリ以外のツールとの連携も必須

    全世界対象の調査データを読むと、EC の平均購入金額はパソコン経由のほうが高いという傾向もあります。

    高額な商品はパソコンの大きい画面でじっくり情報収集 → 比較検討されるため、アプリに注力するのではなく、既存のサイトとの連携も重要になります。

    また、前述の記事でも、EC アプリの顧客の熱量を高めるにはアプリ内の機能の活用や SNS との連携も重要になるとされています。

    EC アプリは軌道に乗った際のメリットは大きいですが、SNS/Web も含めて社内の DX・デジタルマーケティングが進んだ環境の “締め” の一手という側面もあります。まだ SNS/Web を十分に活用できていない場合は、検討のタイミングを考えてもいいかもしれません。

    3. 高度な活用にはアプリ品質以外の努力も必要に

    EC アプリを作る際に、よく最終的なゴールとして挙げられるのは「オムニチャネル化」です。

    オムニチャネルとは、「オンラインと実店舗の両方で買う」という顧客が増えているため、オンラインとオフラインを区別せずに顧客の LTV(≒単価)を最大化するという考え方です。

    オムニチャネル化は EC アプリのゴールであることは間違いないのですが、そのゴールにたどり着くには組織設計や文化作りの努力も必要です。

    たとえば、店舗のスタッフと EC 担当のスタッフの利益が相反するため、「EC で売れても自分たちの成果にならない」と、店舗スタッフが Web/アプリの運用に協力してくれない…というケースもあります。

    そこで、オムニチャネル化が進んでいる企業では、店舗と EC を区別せず、顧客のロイヤルティを高めていくために

    • 実店舗のスタッフが EC に投稿して販促活動を行える
    • 「誰が何を売ったのか」を計測でき、店舗/EC 問わずスタッフの成果を評価できる

    というシステムを導入し、組織作りとシステム導入の両軸で工夫をしています。

    EC サイトのアプリ化にはメリットが大きいものの、企業がやるべきことも多く決して簡単な取り組みではありません。システム開発・ツール選定やアプリ運用を単体で社外パートナー企業に発注するよりも、トータルで相談できるパートナーを探すことも重要といえます。

    資料はこちらからご覧ください

    PDF版の詳細な資料では事例・比較表などを加えてもっと詳細にご説明しています。

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