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飲食店舗のアプリ活用事例6選と、押さえておくべき機能・費用面でのポイント

アプリ活用事例
2022.12.19
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    飲食業を営む企業にとって、新規顧客の獲得と同時にリピートの促進および顧客単価の向上は経営の大きな課題となります。

    とはいえ、iOS/Androidアプリを作って運営するにはある程度のコストや人手が必要なので、グローバル企業以外ではまだ広く普及しているわけではありません。

    そこで本記事では、飲食企業がアプリなどデジタルツールで提供できる価値および必要な機能、先行している企業の事例と、構築費用の相場やコストを抑えるポイントなどをまとめていきます。

    1. 飲食アプリのメリットと、必須になる機能群

    1-1. 飲食企業 お知らせ・クーポン(情報)配信型アプリの機能とメリット

    主な機能

    • スタンプカードまたはポイントカード
    • クーポン
    • 店舗検索(GPS 連動)
    • セグメント別の PUSH 配信
    • 会員ランク設定

    大手の「GMO おみせアプリ」などが提供する安価なパッケージで iOS/Android アプリを開発するパターンが主流ですが、近年では LINE 公式アカウント+LINE ミニアプリでアプリの代わりのサービスを提供するパターンもあります。

    ポイントカードやスタンプカードをデジタル化するだけでも「紛失のリスク減」「財布がかさばらず、忘れる心配がない」など一定のメリットはありますが、アプリのコストパフォーマンスを高めるためには付加価値をつけることが求められます。

    1-2. 飲食企業 テイクアウト(モバイルオーダー)の予約・決済型アプリの機能とメリット

    主な機能

    • EC 機能
    • アプリ内決済
    • 時間指定予約

    App Annie による State of Mobile 2021 レポートでは、米国でスマホ経由での注文が過去 1 年間で 105% 増加したことが明らかになりました。

    店舗に行く前に事前に注文・決済しておけるアプリは、グローバル企業ではマクドナルドなどが先行していましたが、国内ではスシローがダウンロード数を伸ばしています。

    国内では事前のモバイルオーダー・テイクアウトの予約受付をWebサービスで行い、アプリ内では実装しないというケースもあります。

    メリットはコストが安く抑えられる(完全に従量課金のサービスもある)ことで、デメリットはリピートにつなげるために工夫が必要なことなどが挙げられます。

    (補足)米国の消費者への調査で分かる「ニーズ」

    bluedot が米国の消費者 1,500 人に対して行った調査は一読の価値があります。

    2021 年夏の時点で「レストランアプリよりサードパーティアプリを使う」と回答した消費者に比べ、「サードパーティアプリよりレストランアプリを使う」と回答した消費者が 3 倍以上多いという結果になり、“指名買い” の増加傾向が明らかになりました。

    また、指名買いしてもらうため、個社のアプリを使ってもらうためのメリットを考える上では、「ほとんどの消費者はお得に注文するために個社のアプリを使う」「実店舗で頼めるメニューやオプション(トッピング)がすべて提供されていないとストレスに感じる」といったデータも参考になります。

    参考The State of What Feeds Us Volume V (bluedot)

    2. 最近伸びている飲食業アプリの事例5+1選

    2-1. 飲食×情報配信型アプリの事例

    「屋台屋 博多劇場」(一家ダイニングプロジェクト)

    情報配信型の飲食アプリの要注目事例は「屋台屋 博多劇場」「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」などを運営する株式会社一家ダイニングプロジェクトです。

    2016 年 10 月から公式会員アプリ運用を開始し、2021 年時点でアプリ会員数は 80 万人前後に達しました。

    博多劇場のアプリは、桜が開花する頃に「さくらという名前の方が来店されると乾杯ドリンクが無料」など、ユニークなプッシュ通知が配信されています。クーポンやPUSH配信という機能自体は競合他社も持っていますが、アイデアでは差がつくため、SNS と同様に独自の運用を行っている企業は参考になります。

    img - hakata

    出典〈会員数80万人目前!〉『屋台屋 博多劇場公式アプリ』2021年11月1日リニューアル!来店回数に応じたランク制度や特典が追加!

    「ジョイフル」公式アプリ

    有名 YouTuber とコラボした新商品開発で話題を呼んでいるジョイフルのアプリも参考にできるポイントが多いです。

    まず、初めてアプリをダウンロードして起動した際のオンボーディング(操作ガイドやメリットの説明)がしっかりしています。そして、ログインボーナスとして公式キャラクターに料理を食べさせることで特典がもらえるゲーミフィケーション要素もあります。

    EC アプリや SNS に比べると、飲食店舗のアプリは消費者にとって頻繁に起動する動機が少ないので、このような取り組みも重要になります。

    img - joyfull

    出典ジョイフル公式アプリ

    やよい軒

    「やよい軒」は、アプリとしてはスタンプカード・クーポン配布など基本的な機能をネイティブで実装し、モバイルオーダーはアプリから離脱して専用の Web サイトに誘導しています。

    こちらもミニゲーム要素を実装しており、クーポンやスタンプを集める楽しみを提供しています。

    img - yayoi

    出典楽しみ方とお得さが広がる、やよい軒新公式アプリ

    data.ai の調査によると、やよい軒公式アプリは 2022 年第 1 四半期に最も急成長したアプリ(セッション数2位・MAU1位・DL数1位)とのことです。

    2-2. 飲食×モバイルオーダー・テイクアウト予約アプリの事例

    これまでマクドナルド・スターバックスの事例が語られることが多かったジャンルですが、実際にお客様からのご相談でも参考事例は少しずつ増加しています。

    スシローアプリ

    事前の予約から決済までをネイティブアプリ内で完結できるように実装し、評価も高いのがスシロー公式アプリです。

    当日来店の予約(順番待ち)、日時指定の来店予約、テイクアウトの予約をネイティブで実装しつつ、「ひまつぶし」機能などエンタメコンテンツも提供しています。

    img - sushiro

    出典スシロー公式アプリ紹介ページ

    App Ape の調査では、「40 代の中で人気のアプリ」の 5 位にランクインしており、実際にファミリー層の顧客から支持されていることもうかがえます。

    「すかいらーく」グループ公式アプリ

    国内を代表する大手フランチャイズのすかいらーくグループは、まずお得なクーポンを配信する情報型アプリをリリースし、テイクアウト注文は自社の Web サイトで受け付けるという仕組みになっていました。

    その後、顧客のニーズを把握できた効果もあってか、2021 年の夏にアプリのトップメニューに「ネット注文」が加わり、アプリ内で「宅配」「テイクアウト」「通販」が行えるようになりました。

    現在は情報配信型アプリではなくモバイルオーダーもできるハイブリッドなアプリですが、最初から大規模なアプリを作るのではなく、フェーズごとに成長させていった大手の事例としては参考になります。

    img - sky

    出典すかいらーく公式アプリ テイクアウト「モバイルオーダー・決済」機能拡充

    2-3. ネイティブアプリ以外の事例

    東海から全国に展開する「コメダ珈琲店」は、公式アプリを運用しながら LINE にも注力しています。

    2017 年の時点で東京都心の店舗で「LINE による順番待ち」のミニアプリを導入していました。

    img - komeda

    出典LINEで順番待ち|matoca【公式】

    LINE ミニアプリ「matoca」を利用することで、混雑しがちな店舗の順番待ちを事前にできるようになります。また現在はこの整理券の発行システムを「ホームタブに固定」するなど、ネイティブアプリに近い挙動を実装できています。

    3. 結局いくらかかる?飲食アプリの開発費用とランニングコスト

    店舗ごとの最新情報を PUSH 配信するような iOS/Android アプリの開発・保守にかかる費用は

    • フルスクラッチ(完全オーダーメイド):初期費用が数千万円規模+保守費用数十万円(規模による)
    • 高機能パッケージ:初期費用数百万円規模+月額利用料数十万円
    • シンプルなパッケージ:月額費用 10 万円以下

    が平均的な相場といえます。

    来店前の事前予約や決済機能は実装の手間が増えるので、さらにある程度の開発費用が必要になります。

    しかし、飲食業ではこのような料金体系では経営を圧迫することが多いため、初期費用だけでなく月額の利用料金も抑えるパッケージ・サービスが台頭してきています。

    ですので、リスクを抑える方法としては

    1. SNS/LINE やシンプルなパッケージで顧客の「ファン化」によるリピーター獲得のノウハウを身につける
    2. テイクアウトや来店予約を Web で試し、自社の業態や顧客層とマッチするかを見極める
    3. 公式アプリを立ち上げ、アプリに移管できる機能を随時実装していく(※運用しながらカスタムしていけるほうが便利)
    4. モバイルオーダーの需要があるならアプリで実現できるようにする

    と、フェーズごとに徐々に投資していくプランがおすすめです。

    飲食店舗アプリ・テイクアウトアプリを柔軟に作っていくなら「PASTA」

    BackAppでは、飲食業をはじめとする約200社の開発実績を元に、お手軽な価格で機能性・カスタム性を確保したアプリパッケージ「PASTA」を提供しています。

    ただの情報配信アプリではなく、アプリ内で決済を完了できる機能もつけられる上に、利用されているユーザーの規模に応じて月額費用が決まる従量課金制など、「かゆいところに手が届く」サービスとなっています。

    ノーコードではなくローコードのパッケージのため、構築費用を抑えながら「初期はミニマムの機能でリリースして、運用しながら機能を追加していきたい」というご相談に柔軟に対応できることが大きなメリットとなっています。

    アプリの開発で迷っている場合、現在運用中のアプリを少しずつアップグレードしていきたい場合などは、ぜひお気軽にご相談ください。

    お手頃価格で簡単に自社アプリを開発~運用するなら
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    • 「自社アプリを考えているが、初期投資を抑えてまずは試してみたい」
    • 「LINE からの PUSH 配信で顧客と継続的に接点は作れているが、費用対効果が見合わなくなってきた」
    • 「安すぎるシステムだと動作速度や拡張性などが不安」

    といったお悩みを抱えている企業様に向けて、ノーコードでアプリを開発するサービス「PASTA」を展開しています。