アプリを開発し、iOS/Android の実機での検証をしながら、そろそろリリースが見えてきた…というところで、意外に悩みがちなのがアプリの “名前”。
App Store と Google Play で公開する際に登録できる限界値もありますが、考えるべきはそれだけではありません。スマートフォンのホーム画面では、表示される文字数が限られています。
長いアプリ名を設定していると、ユーザーがアプリをダウンロードしてホーム画面を見たときに「アプリ相談窓口…」などと省略して表示されてしまいます。ですので、スマホアプリ名は「登録できる文字数」と「ユーザーのホーム画面のために設定しておくべき文字数」の両方を知っておく必要があります。
ストア申請時にアプリ名欄に入力できる文字数は iOS/Android で共通
iPhone/iPad アプリは App Store に、Android アプリは Google Play からユーザーにダウンロードしてもらう形になりますが、申請時に登録できる限界は以下の通りです。
種類 | 設定できる文字数 |
iOS | 30 文字 ※ |
Android | 30 文字 |
※ iOS アプリは、App Store でアプリ名の下に表示される「サブタイトル」が別途 30 文字設定できます。
申請のフローについては下記の記事も参考にしてください。
- iOSアプリを公開する際の申請のやり方 (AppStore への登録方法 / iPhone の端末登録等)
- Androidアプリを公開する際の申請のやり方 (GooglePlay への登録方法 / Console の使い方)
iOS アプリは、2016 年以前は 255 文字まで、最近までは 50 文字まで設定することができました。ただし、Apple は以前より「23 字以内のアプリ名」を推奨していたため、申請時点で徐々に制限されるようになりました。
アプリストアに申請するアプリ名と、ホーム画面に表示されるアプリ名
ユーザーが App Store, Google Play で検索しているときのことを考えれば、申請する際のアプリ名は 20 文字前後になるかと思います。
しかし、この長さでは確実にユーザーのホーム画面には表示されないため、開発時にダウンロード後の表示名を設定しておくことになります。
iOS の場合は、Xcode の Info(.plist) > "Bundle Display Name" として設定します。
Android の場合は マニフェストファイルの中にある android:label で設定します。Activity のタイトルと別のものを設定する際は別途タグを設定する必要があります。※参考記事
最近のスマホのホーム画面で表示される文字数の目安
アプリのアイコンが並ぶホーム画面での名前は
種類 | 最大文字数 |
iOS - アルファベット | 13〜15 文字 |
iOS - 漢字・全角かな | 7 文字 |
Android - アルファベット | 13〜18 文字 |
Android - 漢字・全角かな | 6〜8 文字 |
が目安となります。
以前までは
- 漢字・全角かな 5 文字以内
- アルファベット 13 文字以内
- 半角カタカナ 11 文字以内
となっていましたが、OS のバージョンアップ、画面解像度の向上により、ホーム画面では少し表示領域が増えています。
アプリの情報はなかなか出回りづらく、古い情報が今でも拡散されていますが、少なくとも 2017〜18 年の端末を使っているユーザーであればもう少し長く表示されます。2018 年現在、BackApp スタッフの端末では、最大でアルファベット 18 字(スペース含む)、全角漢字・かな 8 文字まで表示されているアプリを確認しました。
名前によって表示できる文字数が変わる
アプリ名の長さの限界を絞りきれないのは、iOS/Android 端末ともに、システムフォントとしてプロポーショナルフォントが利用されていることが原因です。プロポーショナルフォントとは文字によって横幅が変わるデザイン手法で、たとえば "i" などは狭く、"L" などは広くなります。
ですので、アプリ名に i や t, l などが多く使われている場合は 18 文字ほど表示される一方、文字列によっては 14 文字程度で切られてしまうこともあります。
ユーザー目線に立ったとき、最適なアプリ名の文字数とは
注意すべきポイントは、Android 端末で 18 文字表示されているアプリも、ユーザーが近視などのためにフォントサイズを大きく設定していると途中で切られてしまうということです。
ですので、特にユーザーの年齢層が高いアプリであれば、ホーム画面の表示名を長くしすぎるのは危険といえます。
表示できるアプリ名の長さは昔より伸びてはいますが、「ダウンロードしてあるけど、これは何のアプリだったっけ?」と困惑されないよう、重要な単語はできるだけ頭に入れておくことをおすすめします。
- 「アプリをやったことがある人が社内にいなくて相談ができない…」
- 「Webは運用してるけど、アプリだとどこが変わるんだろう?」
- 「できれば内製したいけど、やっぱり最初は外注が必要?」
といったお悩みを抱えている方、iOS/Android アプリの開発プロジェクトを初めて経験する担当者の方などに向けたお役立ち資料を公開しています。