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子育てにまつわるDXやアプリ活用例6選プラス1

アプリ活用事例
2023.10.24
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    BackApp広報の山口です。 私も子育て中なのですが、過去に保育園の一時預かり情報を集めるため、地域の児童館や役所へ何度も足を運びました。 結果、乳幼児を連れて外出することに慣れることはできましたが、やはり「もっと簡単に地域情報を集められたらいいな」と思った経験があります。

    最近になって、保育園・幼稚園、学校などでアプリが導入され始めましたが、まだまだ子育てに関わる部分でアプリが活躍できる場面があるのではないかと感じています。

    近年共働きや核家庭での子育て世帯が多く、妊娠出産から子育てにおける効率的かつ便利なものが多く求められています。 そのような背景がある日本では、妊娠から出産までのライフステージにおけるどのようなアプリを活用して DXの推進が行われているのかを以下にまとめていきます。

    1. 子育てにかかわるデジタルトランスフォーメーション(DX)とは

    令和 4年に「こども政策 DX推進チーム」を発足した内閣官房では、こども政策 DX推進チームの概要を下記のように掲げております。

    • こども政策 DX推進チームの概要
      第一に、こどもや子育て家庭が必要な情報に素早く、簡単にアクセスでき、様々な行政手続きをストレスなく行うことができる環境を整備することが重要である。 また、保育園などの子育て関連事業者や地方自治体など、こども政策の現場に携わる方々の事務負担を軽減し、こどもや子育て家庭への支援にかける時間やエネルギーをできるだけこども政策の質の向上に振り向けていくことも重要である。

    2. 子育てにかかわる DX推進によって今後期待できること

    現在試行中または将来展開される取り組みには、以下のような期待が寄せられています。

    (1)行政手続きに役立てる 児童手当などの給付金を受給する際に、紙媒体で申請書を記載していたものをオンラインで申請が可能になる。

    (2)預かり保育時に役立てる アプリを利用することで産後ケアや保育園の一時預かりなどを検索できるようになって、申請できるようになる。

    (3)妊娠出産子育てなどの不安に対する情報収集に役立てる 未知のことが多い妊娠出産子育てに対して、こども家庭庁発信による知識や情報を得られる。 場合によっては、助産師や保育士との面談も案内してもらえるようになる。

    参考:DXで「こどもまんなか」プロジェクト

    3. 子育てにおける DXアプリの活用例6選プラス1

    子育てにアプリを活用し役立てている事例をご紹介します。

    母子モ

    予防接種のスケジュール管理や離れて暮らす祖父母とも子供の成長を共有できるアプリです。 福岡県春日市ではこのアプリから「妊娠届出」と「出産応援交付金」の申請を可能にし、 2023年 4月から 6月の 3カ月で 100%(180件)の利用率であることが分かりました。

    保護者の手間や待ち時間が減り、妊産婦の負担減につながります。市役所側も届出情報や入金履歴をアプリから届け出履歴と照らし合わせて管理することが可能になります。 子育てに関わる手続きの DXを推進することで、保護者と自治体や医療機関の負担軽減に繋がります。

    出典:母子モ

    陣痛きたかも

    陣痛は出産開始のバロメーターとも言われております。出産日が近くなると、陣痛の間隔が短くなり妊産婦はその間隔を覚える必要があります。 とはいっても、陣痛はたいへん苦しくつらいものなので、手書きでメモをするよりアプリで陣痛開始時間と終了時間をボタン一つで記録できる優れたアプリです。

    出産日に病院でアプリの陣痛履歴を表示して見せることで、確実な情報を伝えられます。 また、緊急で陣痛タクシーを利用した際にも、アプリに緊急連絡先や産院先の病院を登録できるため緊急時にも役立ちます。

    出典:陣痛きたかも

    ルクミー

    連絡帳アプリや、登園打刻アプリなど、保護者と先生の負担を減らすことができるアプリです。

    アプリで登園管理を行えるようになるので、今まで欠席連絡を電話応対して手書きで管理していた時間を保育にあてることができます。 保護者も、先生が出勤する時間帯を見計らって電話する必要がなくなり、負担が軽減されます。

    手書きで記入していた連絡帳においても、共通連絡事項は一斉に保護者へ連絡可能となり、保護者はアプリで確認できます。 アプリから行事の写真を購入できるため、登園して選んで申し込み用紙へ記入する手間もなくなります。

    出典:ルクミー

    まもサーチ

    登下校や習い事、放課後の遊びから何時に帰ってくるかわからない。子供が今いる現在地を確認したい。こういった保護者の不安を払拭してくれるアプリです。

    「まもサーチ」という GPS搭載のキーホルダーを子供に持たせることで、子供の現在地情報をアプリから確認することができます。 エリア設定機能を利用することで、指定したエリア(学校)に入った時間と出た時間を記録し、子供の歩いた履歴を確認できます。

    また「現地発信ボタン」機能があります。 子供がこのボタンを押すと、アプリは登録したメールアドレスに通知を送信し、保護者は塾や習い事に迎えに行く目安時間を把握するのに役立てることができます。

    出典:まもサーチ

    すぐーる

    このアプリは、主に学校と保護者の間で利用されております。出席や休校連絡、配布資料のペーパーレス化に活用されております。

    その他に、教育委員会からのお知らせをチャネルに追加すると、市町村のイベントの連絡を受信することができます。 具体的な例だと、「地域の大学で開かれる未就学児向けのイベント」や「不登校問題を抱える保護者むけのイベント」などのプッシュ通知があります。

    プッシュ通知には、興味があるイベントへの参加用 URLが記載されているため、すぐに参加申し込みを行うことができます。 児童支援センターに行かずとも、情報収集にかかる時間と手間を削減でき、子育ての悩みや不安を共有し解決するのに役立ちます。

    出典:すぐーる

    TRUSTDOCK

    マイナンバーカードの他、 6種類の本人確認書を読み取ることができるアプリです。

    2023年 9月より東京都で受付開始された「018サポート」において、 0歳から 18歳までの子供を対象に月額 5,000円の給付金を受け取るための申請時にこのアプリが利用されております。

    申請はオンラインで行うのですが、画面上にアプリの QRコードが表示され、このアプリを使用してマイナンバーカードを読み込み申請します。 区役所へ行かずとも、自宅のパソコンとスマホで給付金の申請ができるため、子供を連れて外出しづらい家庭にも対応できます。

    出典:TRUSTDOCK

    CSV(Creating Shared Value:社会との共通価値の創造)× DX

    2023年 6月にあいおいニッセイ同和損保と「陣痛きたかもアプリ」を手がける株式会社カラダノートとが業務提携契約を締結しました。

    この提携により、両社のデータを突合し、その結果に相関性が見られた場合、育児シェア率向上に寄与する保険商品・サービスの開発を展開する予定です。 具体的には、「育児や看病の際に欠勤した際に保険が支払われるプラン」や「子供が楽しく学べる交通安全促進ツール」の開発です。

    • あいおいニッセイ同和損保株式会社が保有するデータ テレマティクス自動車保険を通じて運転者の安全運転度合いを数値化する「安全運転スコア」 ※テレマティクスとは、「テレコミュニケーション(通信)」と「インフォマティクス(情報工学)」を組み合わせた造語です。自動車などの移動する媒体に通信技術を組み合わせてリアルタイムに双方向で情報を通信し、「つながる」ことで新しいサービスを提供することが可能となる技術のことを言います。

    • 株式会社カラダノートが保有するデータ カラダノートのアプリユーザーのうち最大 3万人から得た、授乳時間や離乳食のメニューといった情報の「夫婦間育児共有機能の利用率等のデータ」

    出典:子育て環境改善に資する保険商品・サービスの開発・提供に向け、あいおいニッセイ同和損保とカラダノートが業務提携契約を締結

    4. 子育てにおける DX推進化に対する課題や問題点

    様々なデータを活用して、子育てにおける DXを推進するうえで、いくつか課題や問題点があります。 以下にそれらの注意点をいくつか挙げていきます。

    • どのような情報を収集すべきか
      どのような情報を元にデジタル化して子育てに活用するかを検討する必要があります。 そのため、子育てにまつわる情報の吸い出しや、データを収集することが重要となってきます。

    • デジタル技術の活用を浸透させること
      たとえば、デジタルカメラで撮影した写真を個人の携帯端末に保持するだけでなく、その写真を利用してオンライン上で世界中の人々と安全に共有する技術を一般の人々に普及させることを指します。 子育てにおける DXを活用するシーンにおいても、一般ユーザーに便利になった技術の活用方法だけでなく、安全に利用するように注意喚起する必要があります。

    • 自治体や医療機関のシステムとの連携
      近年、マイナポータルにより健康保険情報の確認や公的受け取り口座の登録などができるようになりました。 こういったシステムや各医療機関で使用されているシステムとの連携を考慮し、複数の情報を管理することが課題となります。

    • 個人情報の取り扱い
      顧客から得た統計やデータを利用する場合、個人情報を企業が取り扱うことに対して顧客が不安を感じる場合があります。 顧客のデータ保護と了承を得て、 Webやアプリのセキュリティに注意しつつ、技術への変革に個人データを活用する必要があります。

    5. まとめ

    子育てにおける DXの推進は、アプリやシステム導入により今後ますます活性化されていく見込みです。 しかしながら、導入時の運営コストや安全に配慮されたシステム普及や利用するユーザーの利用知識が求められます。 今まで手作業や紙媒体で行っていた時間や手間の削減にはおおいに貢献するため、使いやすく安全に配慮された上で DXを推し進めていくことが求められています。

    子育てにおけるアプリやデータを賢く活用することにより、新たなビジネス展開の可能性を広げることができます。 バックアップでは、こうしたアプリを起点とするビジネス事例も数多く見てきました。 まずは自社のアセットを使って自社アプリを作ることで何ができるか、ぜひ一度お気軽にご相談ください。