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アプリにおけるサブスクリプション機能のメリットと導入事例5選

アプリ活用事例
2023.10.02
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    サブスクリプションとは、決められた定額料金を支払うことで規定のサービスを受けられるようになるビジネスモデルです。

    一言でサブスクリプションと言っても契約形態や申し込み期間にも種類があり、サービス施策から開発運用まで留意点があります。 以下に企業や顧客からの視点でメリットとデメリット、開発時の注意点をまとめていきます。

    1. アプリ×サブスクリプション課金機能の契約形態

    一言で「サブスクリプション」と言っても、契約を結ぶ形が大きく3種類に分けられます。その違いを下記にてご説明いたします。

    • 有料会員のみ利用できるサービス
      有料会員になることで初めて、コンテンツやサービスを受けることができるようになります。 代表的な例として、動画配信サービスのNetflixがあります。 未入会時にはサンプルや動画を視聴することができませんが、有料会員になることですべての動画を楽しめるようになります。

    • 期間限定の無料プランつき有料サービス
      有料サービスを期間限定で無料で利用ができて、期間終了後にサブスクリプション契約するかどうかを決められます。 代表的な例として、Microsoft Officeを30日無料体験後、年間のサブスクリプション契約するかを判断することが可能となります。

      期間終了後は機能を使用することができなくなるため、ユーザーは体験期間中に機能を把握する必要があり、企業は課金してもらえるようなパフォーマンスが求められます。

    • 無料プランと有料プランを分けるサービス
      サブスクリプションにおいて、無料プランと有料プランが存在する形態があり、そのビジネスモデルのことを「フリーミアム」といいます。 フリーミアムは、「無料」(Free)と「プレミアム」(Premium)の2つの要素を組み合わせた言葉です。

      フリーミアム型は、無料でも十分な機能を提供しながら、追加機能やサービスを有料化することによって収益を得るビジネスモデルです。代表的な例として、音楽配信サービスのspotifyは広告を視聴することにより無料で音楽を聞くことができます。

      有料プランに加入することで、広告を挟まずに音楽を聞くことができます。また、プランの金額をあげることで、家族内でプレイリストの管理までできるようになります。  基本機能のみで満足してしまうユーザーと、さらなる快適さ便利さを求めて課金するユーザーにわかれるため、いかに課金へと誘導するかがポイントとなります。

    2. アプリ×サブスクリプション課金機能のメリット

    企業のメリット

    • 継続的に収入を見込める
      一度契約をしてもらえれば、顧客数から金額にて収益を換算することが容易に行えます。 また、契約数を把握できるため、物販の場合は在庫管理の最適化が図れます。

    • ユーザーの利用傾向などの情報からサービスの改善を図りやすい
      ユーザーの利用傾向などの情報を蓄積することができるため、情報を分析してサービス改善を行うことができます。 収集したデータから優良顧客を洗い出し、アップグレードや関連商品の誘導することでさらなる収益獲得を目指すことも可能です。

    顧客のメリット

    • 契約期間中は使用頻度が高まるほどお得感を感じやすい
      定額料金を支払うことで使い放題になるサービスが多いため、使用頻度が高まる傾向にあります。 利用回数や頻度によってプランを設けているケースもあり、高額のプランへ変更するきっかけにもなるでしょう。

    • モノを所有する必要がないため、管理やコストを気にしなくてよい
      サブスクリプションというと、デジタルコンテンツなどを考えがちですが、家具やアパレルなどのサブスクリプションも存在します。 家具の場合であれば月額料を支払うことでレンタルができて、不要になった際に返却や他の家具と交換が可能となります。

    企業のデメリット

    • 定期的にサービスやプランの見直しが必要となる
      似たようなサブスクリプション契約とサービスが多くある場合、他社へユーザーが流れてしまうことが懸念されます。 これを防ぐため、開発側は他社の動向に気を配り、定期的にサービスに付加価値をつけて差別化を図る必要があります。

    • 契約中の顧客に対するケアが継続的に必要となる
      顧客の解約を防ぐために契約中の顧客に対し、質の高いカスタマーサポートを行う必要があります。 ユーザーが解約にいたる理由は、「費用面」や「アプリやサービスに対する不満」など様々です。 こうした解約を検討している顧客に対しても再契約のアプローチや不満点の吸い取りを行う必要があります。

    顧客のデメリット

    • 利用しない月も料金が発生する
      全く利用しない月が発生したり、あまり利用しない場合でも高額であった場合は、解約する可能性が高まります。

    • 使用しないコンテンツが含まれている場合もある
      特に音楽や動画配信サービスは、定額プランが用意されていることも多いですが、「他企業に好みが集中しているので乗り換える」 などという現象が起こりえます。

    フリーミアム型特有のメリット

    • 新規ユーザーを獲得しやすい
      基本機能を無料で提供することで、新規ユーザーを獲得しやすくなります。 「無料だけど便利でおもしろいアプリがある」といったネットの口コミから、ユーザーの母数を確保することも可能となります。 ユーザーの母数を確保することにより、有料プランへ移行してもらえる割合も増えることが期待できます。 さらに、口コミから有効なフィードバックを受けることで、サービスの改善点を見つけやすくなるでしょう。

    • 有料プランへ移行するハードルを下げられる
      無料プランの提供により、顧客はアプリの品質やサービスを評価する機会が得られます。 その結果、課金することのメリットを理解した上で有料プランへと移行が容易になるでしょう。 まだ世の中に広く知られていない企業が有料プランのみをいきなり提案した場合、顧客は料金に見合った価値を判断する材料が少ないため、 契約をためらう可能性があります。

    フリーミアム型特有のデメリット

    • 収益がでるまでに時間がかかる
      サブスクリプションは、契約顧客が増えてから収益が安定するシステムです。 無料プランの提供もあるため、なかなか有料会員へ移行してもらえない場合は収益化が難しく、運用コストがかかってしまいます。

      また、無料プランの公開範囲が広いと、ユーザーは無料プランで満足してしまい、有料プランへの移行率が下がってしまいます。 反対に無料プランの公開範囲が狭い場合、アプリの良さを感じられる場面が減少し、移行率低下につながります。 無料プランの提供内容や有料プランへ移行してもらうための宣伝方法などを改善する必要があります。

    • 有料会員への過度な勧誘による顧客離れ
      企業が顧客にサブスクリプションをアピールする際、よりお得感を感じられるようなプラン設定を行うのが一般的です。 しかし、これを強調しすぎることにより顧客離れや企業ブランドの低下を招く可能性があります。

      具体的な例として、無料プラン利用中に課金催促のバナーが過度に表示されると、せっかく無料プランで引き込んだ顧客が離れていってしまうリスクが生じます。「あそこのアプリは有料プランの催促が過剰なので利用しづらい」といった口コミが広まる可能性もあるため、過度な課金勧誘は控えましょう。

    3. アプリ×サブスクリプション課金機能の事例

    アプリでのサブスクリプション契約を効果的に導入している事例をご紹介します。

    UberEats Uber One

    配達サービスUberEatsでは、月額498円を支払うことにより料理や雑貨などの配達料が「¥0」になるサービスです。 トライアル期間として1か月間無料をもうけており、月に数回利用する人にとってはお得感を感じやすい料金設定になっております。 解約時にも手数料やペナルティがないため、ユーザーは契約にふみきりやすいシステムです。

    出典:Uber One

    教育アプリ Duolingo

    語学教育アプリDuolingo では、問題を間違えるごとに「ハート」を消費します。無料会員は問題を5つ間違えるとハートがすべてなくなり学習がストップしてしまいます。 有料会員になることで、ハート消費や広告表示の制限がなくなり効率的に学習できるようになっております。

    また、検討中のプランによってトライアル期間をわけているのも特徴的です。「月額プラン(750円)」なら7日間・「年額プラン(9,000円)」なら2週間の無料トライアルを行っております。

    出典:Duolingo

    食事健康管理アプリ あすけん

    食事と運動の記録ができて、記録を元に食事の栄養バランスグラフなどを表示してくれます。 無料会員は1日3回の食事メニューをすべて入力しないと、栄養バランスのアドバイスをもらうことができないのですが、有料会員(月額480円)になると、1日のうちの1回のみを入力しただけでもアドバイスをもらうことができます。

    また、有料会員のトライアル期間が「7日間」用意されております。 半年プラン(1,900円)、1年プラン(3,600円)の方が、月額プランに比べて割引率が高く設定されているのもポイントです。 トライアル期間が終了したからといって 有料会員へ自動課金されないので、ユーザーは安心してアプリを試すことができます。

    出典:あすけん

    SHARE LOUNGE

    コワーキングスペースやカフェ、またはバーとしても利用できる施設を予約できるアプリです。 多拠点プランという月額会員(スタンダードプラン36,300円、デラックス58,300円)になることで、全国の提携する店舗を利用することができるようになります。

    広範囲の店舗を利用できる月額会員の方が高額の料金設定となっております。 また、サブスクリプション契約をしなくても、ドロップインで60分単位から店舗が利用できます。

    無料トライアル期間の申し込みはないのですが、有効期限つきの1日利用チケットを5枚を1セットとして販売しており、多拠点プランより安くチケットを購入できます。 会議室を設けている店舗もあるため、個人利用だけでなく商談や会議に利用できるところから、幅広い利用方法が魅力です。

    出典:SHARE LOUNGE

    洋服レンタル airCloset

    好みの服装や洋服を使用するシーンについてリクエストすると、プロのスタイリストがセレクトした洋服が自宅へ配送されるサービスです。 月に1回3着配送してもらえるライトプラン(月額7,800円)と、月に借り放題のレギュラープラン(月額10,800円)があります。 XSから3Lサイズまで展開しているライトプラス(月額13,800円)というプランもあります。

    追加料金を支払うことでスタイリストの指名ができたり、アクセサリーのレンタルも可能です。 服をスポットでレンタルしたい人向けと、家にモノを増やしたくないけれど洋服のレパートリーが必要な人向けにプランが分かれております。

    出典:airCloset

    4. アプリ×サブスクリプション課金機能を実装する際の注意点

    サブスクリプション機能付きアプリを作成する際には、いくつかの重要な注意点があります。以下にそれらの注意点をいくつか挙げてみましょう。 施策から決済完了に至るまでマネジメントや技術面で考慮すべき点が多いため注意が必要です。

    • わかりやすいオンボーディングの表示
      ユーザーが初めてアプリを開いたときに一番最初に目にすることが多いのがオンボーディング(チュートリアル)です。 オンボーディングの内容を簡単でわかりやすくすると、アプリの内容やサブスクリプションのメリットを理解してもらうことができます。 また、簡単なアンケートを設定することで、ユーザーの情報を集計することに役立ちます。

    • 適切な料金表示のレイアウト
      契約期間や金額を画面レイアウトの中で目立つようにする必要があります。 追加料金が発生するなどの記載は、ユーザーにわかりやすく明確に記載と表示されるようにしましょう。過度な課金誘導レイアウトにも注意が必要です。 適切な画面設計を行うことで、料金体系に関する混乱を防ぎます。

    • 決済を簡単で安全に
      サブスクリプション契約数を伸ばすためには、クレジットカード決済・キャリア決済・電子マネーなどさまざまな支払い方法を提供する必要があります。 ユーザーが情報入力しやすく、かつ顧客情報を取り扱うためセキュリティーを考慮した設計が求められます。

    • 価格設定・契約期間・トライアル期間のバランス
      サブスク事業の鍵となるのは、価格・契約期間・トライアル期間といったプラン設定です。

      年間プランを1年継続したユーザーはそれ以降も継続して課金しやすいというデータもありますが、年間プランは新規顧客に購入してもらいづらいという欠点もあります。 ですので海外を中心に、「無料トライアルでメリットを理解してもらいながら、終わり際に初年度のみ格安料金になるオファーを出す」といった事例も増えていますが、 短期的な収益が大幅に下がるというデメリットがあります。

      また料金プラン自体も年間プラン・月間プラン以外に3ヵ月プランや6カ月プランを用意して検証する企業もあるように、プラン内容については事業者がサービスの運用後も注力していくことになります。

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    5. まとめ

    サブスクリプションは、企業にとって安定的な収入をもたらします。契約者が多くなればなるほど、知名度向上やブランド化にも大きくつながってくることでしょう。 しかしながら、解約リスクもあるため常にサービスの向上が求められます。 金額の適切性、用途別に細分化した料金プランの設定、利用方法のわかりやすさ、これらを常にアップデートしていくことが成功するために必要となるでしょう。

    BackAppでも本記事で紹介したようなサブスクリプション機能つきのiOS/Androidアプリが構築可能です。自社のパッケージを使ったローコード開発で初期費用を抑えるプランなどお客様のニーズに応じて提案できますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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