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アプリ開発のスケジュールを早めるには?スピード構築のための手段・ツール

アプリで失敗しないためのポイント
2022.11.09
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    [2023/8/29更新]

    近年、自社でiOS/Androidアプリを始めたいという企業の中では、内製・外注に関わらず「まずはスピード感を持ってリリースして、顧客の反応やデータを見てみたい」というご要望を多くいただいております。また、総務省もアジャイル型開発を取り上げるなど、スクラッチ開発でさえもリリースを早める動きが増えています。

    そこで、今回の記事はアプリ開発工数やコストの削減方法について、開発手法の解説を交えながらご紹介いたします。

    PDF 版では具体的な事例も交えて解説しておりますので、ぜひ日々の業務にお役立てください。 下記より無料・情報入力無しでダウンロードいただけます。

    1. アプリ開発にスピード感が求められている背景

    一般的に、企業が iOS/Android アプリを展開する目的は

    • 既存の顧客と継続的な接点を作ること

    • 継続的な接点と便利なコンテンツにより、ロイヤルティを向上させること

      というリテンション施策に焦点を置いた二点が挙げられます。

      しかし、従来のスクラッチ開発(いわゆるウォーターフォール型)では、iOS/Android という二つの OS でシステム開発を行うことや、アプリゆえの品質管理・動作テストなどもあって開発スケジュールが長期化して、スムーズに施策を実現できないことが少なくありません。

      こうしたアプリの開発期間における悩みを解消すべく「いきなり半年~1 年など長期で開発するのではなく、スピーディにリリースして、顧客の反応・求めるものや、アプリの効果・できることを確認してみたい」という、アプリ開発に対する考え方を刷新し、開発スケジュールの短縮化を目指す企業が増加しているのが現状です。

    img - 背景

    2. アプリ機能別開発スケジュールの目安

    以下では、アプリ開発の基本的な流れと一般的なスケジュール目安について解説します。

    アプリの平均開発期間とは

    アプリ開発の時間は、プロジェクトの複雑さや機能要件によって変動します。 例えば、プッシュ型通知、お知らせ配信や検索機能などの小規模なアプリ機能だけの場合、通常2〜3ヶ月程度が必要です。 一方、SNSやゲームやGPS機能搭載などの、中規模から大規模なアプリでは、4ヶ月以上の期間が見込まれます。 ただし、これらはあくまで一般的な目安であり、具体的なプロジェクトには個別の要素が影響します。

    アプリ開発の流れ

    以下は、外注をした場合を考慮したアプリ開発の一般的な流れになります。外注をした場合は、当然ながら開発のプロが先導してアプリを制作してくれるため、質の良いアプリを迅速にリリースできる点がメリットです。 一方で、やはり開発におけるコスト面であったり、リリース後の保守費用も考慮しなければなりません。 他社に依頼するのであれば万が一リリース後に問題がおきた場合、きちんと対応してくれる企業であるのかも、開発会社選定の際には大切な確認ポイントとして押さえておきましょう。

    1. 外注先の選定

    アプリ開発の成功には、適切な開発会社の選定が不可欠です。信頼性、実績、技術力などを評価し、プロジェクトのニーズに合った会社を選びましょう。過去のプロジェクトやクライアントのレビューを確認し、信頼性と専門知識を確認しましょう。

    2. 開発会社によるヒアリング

    選定した外注先との初めてのコミュニケーションは、プロジェクトの成功に向けて重要なステップです。外注先がプロジェクトの詳細や目標を理解し、ニーズを把握するためのヒアリングが行われます。要件、目標、ターゲットユーザーについての情報を提供し、双方の理解を深めましょう。

    3. 見積もり依頼・発注

    ヒアリングの後、外注先にプロジェクトの見積もりを依頼します。詳細な要件と目標を提供し、見積もりの精度を高めましょう。見積もりを受けた後、プロジェクトの契約や支払い条件について合意し、正式に発注します。

    4. 設計・デザイン

    プロジェクトがスタートしたら、アプリの設計とデザインの段階に入ります。ユーザーエクスペリエンス(UX)やユーザーインターフェース(UI)の設計が行われ、ユーザーにとって使いやすく魅力的なアプリを作成します。ワイヤフレームやプロトタイプを活用して、アプリの構造や機能を具体化します。

    5. アプリの開発

    デザインが確定したら、いよいよアプリの実装です。ここでフルスクラッチ(ゼロからプログラミングで実装)をする場合もありますし、最近ではノーコードプラットフォームを利用し、プログラミング工程を省略した開発手法もあります。 プロジェクトに関わる担当者は、アプリ開発に必要な途中経過を定期的に確認し、正しい挙動がされているか、仕様通りに開発されているかなど、確認をしてフィードバックを提供していくことが求められます。

    6. テスト

    開発が進むにつれて、テストが欠かせません。ユーザーの利用シナリオを想定して、機能や安定性をテストします。開発会社は単体テスト、結合テスト、ユーザー試験などを実施し、不具合や改善点を特定しながらバグを修正していきます。 外注した場合は、発注者側も主体的にテストに参加し、ユーザーの想定デバイスを使いながらバグの確認や挙動の確認を積極的に行いましょう。

    7. アプリの審査・リリース

    アプリのテストが完了したら、Google PlayやApp Storeへの申請やプラットフォームの審査を行います。基準を満たし、審査を通過したらアプリをリリースできます。リリース後もユーザーからのフィードバックを収集し、必要なアップデートや修正をしながら、アプリの改善を継続的に行いましょう。

    一方で、もしリジェクト(否認)されるとアプリ審査が通らず、配信が認可されません。以下の内容を見直してみましょう。

    • 機能が不完全である(バグ・リンク切れ)
    • すでに似たようなアプリがあり模倣と見なされる
    • アプリ名称が既存アプリと酷似している
    • ユーザーへのアプリ説明に不備がある

    参考:App Store デベロッパー向けサイト(英語版)

    3. 覚えておきたい!主なアプリ開発手法とは

    フルスクラッチのアプリ開発手法として、ウォーターフォール型とアジャイル型について聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。 これらは、ソフトウェア開発プロセスの2つの主要なアプローチです。それぞれ異なる特徴とメリットを持っており、プロジェクトの性質や要求に応じて選択されます。 さらに最近では、直感的なドラッグアンドドロップのインターフェースで、プログラミング不要のノーコード開発も浸透してきています。 以下に、それぞれの違いを解説します。

    ウォーターフォール型開発

    ウォーターフォール型は、シーケンシャルなプロジェクトマネジメントモデルです。プロジェクトは段階的に進行し、要件定義から開発、テストなどといった各フェーズが直線的に結びつき、前の工程が終わったら次の工程に進む流れを指します。

    ウォーターフォール型開発の特徴:

    • 各フェーズは前のフェーズの完了後に開始される
    • プロジェクトの全体像が最初に設計段階で明確化しやすい
    • 変更や修正が必要な場合、前のフェーズに戻ることが難しくなりやすい

    アジャイル型開発

    「スクラッチ開発はリリースに時間がかかる」と言われることもありますが、実はスクラッチ開発でも「アジャイル型」という手法を用いることで、アプリのリリース自体は大幅に早めることができます。

    アジャイル開発では、最終的に作りたいアプリを100%開発してからリリースするのではなく、優先度の高い機能を実装した時点でリリースし、顧客の反応を見ながら軌道修正をするというスタイルです。

    スクラッチ開発でありがちな「途中で事業戦略が変わった」「顧客のアンケートを取ったら必要な機能が異なっていそうだった」という場合でも最終的な完成系を白紙にすることもできるので、金融系など盤石のセキュリティが求められるジャンルでなければ Web サイトでは採用する企業が既に増えています。

    【アジャイル型開発の特徴】

    • 最初から仕様全てを決めるのでなく、使い勝手をみながら仕様や設計を適宜見直す
    • プロジェクトを複数のイテレーション(反復)に分割し、各イテレーションで機能を追加・改善しながら、小さく機能を開発していく
    • 頻繁にチーム内でコミュニケーションをとるため、進捗状況もわかりやすい

    以下の資料では、内製・外注問わずアプリ開発時の参考になるよう、アジャイル開発に関して知っておきたい最低限の知識をまとめています。アジャイル開発とは何なのか、もっと具体的に知りたいという方は、ぜひこちらからダウンロードしてご覧ください。

    ノーコード開発

    近年ではプログラミング不要で構築も運用も可能になる「ノーコード」のサービスも見逃せません。

    もともと、海外でノーコードの火付け役となったのは担当者が自分でアプリの構築から行う “ツール” でしたが、日本で企業アプリを作るとなると構築はベンダーにある程度任せられるパッケージサービスとして提供される傾向があります。

    ノーコードでは、そもそも開発という作業がなくなる分、スケジュールは大幅に早くなります。また初期費用も抑えられるので、はじめてアプリ事業を展開する企業にとっては有力な選択肢になります。

    【ノーコード開発の特徴】

    • プログラミングスキルがないユーザーでも、ドラッグアンドドロップのインターフェースを使用してアプリを作成できる
    • 既に用意されたテンプレートやコンポーネントを活用することで、開発速度が向上する
    • 特定の複雑な機能開発やカスタマイズが難しくなる場合がある

    img - SaaS比較

    4. アプリ開発スケジュールが遅れる主な3つの原因とは

    アプリの開発スケジュールが遅れる原因はさまざまですが、以下の3つが特に挙げられます。

    最初から完璧を求めようとしてしまう

    プロジェクトの初期段階で完璧なアプリを目指すことは理想的ですが、過度な完璧主義は開発スケジュールを遅らせる可能性があります。細部にこだわるあまり、時間がかかりすぎることがあります。初期段階では必要最低限の機能を優先し、リリース後に改善するアプローチを検討することも視野に入れましょう。

    途中で機能追加や要件・仕様変更が入る

    プロジェクトが進行中に新しい機能の追加や要件・仕様の変更が入ることは一般的ですが、これが遅延の原因になることがあります。特にウォーターフォール型開発を選択している場合は、変更が入るたびに全体のスケジュールが大幅にずれてしまう可能性があります。

    アプリの審査で時間がかかる

    アプリの開発が完了しても、アプリストアの審査には時間がかかることがあります。審査基準を満たすために修正が必要になる場合や、審査待ちの期間にスケジュールが遅れる可能性があります。審査前に十分なテストを行い、審査基準を把握しておくことが大切です。

    これらの原因を事前に認識し、プロジェクト計画に適切な余裕を持たせることで、アプリ開発のスケジュール遅延を最小限に抑えられます。

    5. アプリ開発スケジュールを早める方法

    アプリの開発スケジュールを短縮するためには、効果的な手法を採用することが重要です。以下にいくつかの方法を紹介します。

    アジャイル開発をする

    自社の開発チームが動く場合、アジャイル型開発で「まずリリースして、走りながら作る」という手法を採用するのも一つの選択肢です。 アジャイル開発は、プロジェクトを短いイテレーションに分割し、継続的に機能を追加・改善する手法です。 ユーザーのフィードバックを収集しながら進めるため、必要な機能に集中し、ムダを減らすことができます。これにより、迅速なプロトタイピングと早期のリリースが可能です。

    ノーコード開発ツールを使う

    ノーコード開発ツールは、プログラミングスキルが不要な手法でアプリを構築できるツールです。ドラッグアンドドロップのインターフェースを使用して、要素を配置し、機能を追加できます。これにより、開発スピードを向上させ、小規模プロジェクトや簡易なアプリの開発を効率的に行えます。

    一方で「初期費用を抑えて、スピーディにアプリをリリースできる」のがノーコードパッケージの魅力ですが、もちろん弱点もあります。ノーコード開発のアプリのデメリットとしては、

    • できることや拡張性に限界があること
    • 利用規模に応じて従量課金でコストが増加していくこと
    • 「ささっと作れてしまう」ゆえに品質の低いアプリになり、「顧客のロイヤルティ向上」という本来の目的から逸脱してしまうこと

    などが挙げられます。

    これらのリスクを防ぐためには、ノーコードのパッケージの中でも複数社を比較してみることをおすすめします。

    mBaaS を利用する

    ノーコード開発よりは少し作り込みたい。そんな時におすすめなのが Mobile Backend as a Service(mBaaS)を利用した開発手法です。 mBaaS はアプリ業界でも古くから使われている方法で、サーバーサイド、ミドルウェア部分をパッケージ化した「開発を効率化する環境を提供する」プラットフォームです。

    0→1 でアプリを構築しようと思うと、PUSH 配信や会員認証など「アプリの必須機能でありながら作りこみが求められる機能」には大きく開発工数が取られます。そのコア機能に他社が構築済のプラットフォームを活用することで、アプリリリースのスケジュールを大幅に前倒しにできます。 また、汎用的な機能は mBaaS でスピード構築し、独自性を出すための自社オリジナル機能の開発にリソースを集中するといった戦略を取ることもできます。

    もちろん、mBaaSはサービス提供企業の範囲内の仕様に収まり、何の制限もなく自由に開発できるわけではなくなります。 しかし社内に十分な知見がない場合、プッシュ通知などのコア機能を 0→1 で構築するのは開発工数だけでなく品質面でのリスクもあるので、アプリ開発の世界では意外に古くから利用されてきています。

    img - mBaaSとは

    アプリ開発スケジュールを短縮するためには、プロジェクトの性質や要件に合わせて適切な手法を選択し、効率的に進めることが大切です。適切なツールやプロセスを組み合わせることで、スムーズな開発と迅速なリリースを実現しましょう。

    6. バックアップなら素早いアプリ開発に対応

    最後に、当社バックアップの取り組みも簡単にご紹介します。

    当社はフルスクラッチでのアプリ開発を手掛けてきましたが、その中でも開発のスピード化やコスト削減を目指して mBaaS を構築してきました。

    もちろん開発支援プラットフォームとして提供することも可能ですが、「新規事業だと社内のエンジニアをアサインしづらい」「そもそもアプリ開発のベテランエンジニアがいない」といったケースも多いため、アプリ構築のみをそのまま代行するというサービスも始めています。

    つまり、当社が自社の mBaaS を使ってスピーディかつ安価にアプリを構築し、運用はプログラミングや HTML/CSS の知識がなくてもノーコードで行っていただける(カスタム開発は当社にオーダー可能)という形式です。

    この「mBaaS 開発の発注」という形であれば、スピーディかつ安価にアプリを構築できるだけでなく、ノーコードの弱点であるカスタム範囲の狭さを解消し、顧客の要望や自社の経営戦略に合わせて柔軟にアプリを作っていくことができます。

    img - Pasta

    資料はこちらからご覧ください

    PDF版の詳細な資料では事例・比較表などを加えてもっと詳細にご説明しています。

    下記より無料・情報入力無しでダウンロードいただけますので、ぜひお気軽に手にとってみてください。