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Webサイト・SNS・PWA・ネイティブアプリ、できることとメリットを比較 [2024 版]

アプリのメリット/できること
2024.05.02
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    今や、「Web かアプリか」という二択で事業を考える時代ではありません。“ネイティブアプリに近いことができる” 選択肢が増え、それぞれ自社の業態や事業規模などによって適切なものが異なります。当然、複数のプラットフォームでアカウントを同時運用することも求められます。

    Google が提案する PWA(Progressive Web Apps)は、iOS/Android アプリの代替というよりは Web/SNS とアプリの中間地点に位置し、ネイティブアプリ開発前のつなぎ or 開発済アプリへの誘導が役割になります。

    これまでフルネイティブアプリの開発前の「つなぎ」段階では LINE 公式アカウント(+ミニアプリ)を使い倒すか、flutter や React Native、あるいはノーコードサービスでお安くネイティブを作るかが主な選択肢でした。iOS のプッシュ通知対応でその選択肢の中に入るのかを検討すべく、できること・できないことを比較しようという記事になります。

    ※「PWA のメリット・デメリット・事例」についての詳細な記事(そもそもの入門記事)はこちらをご覧ください。

    iOSでプッシュが可能になったので、PWA のメリット・できること・事例をわかりやすく解説します
    PWA の発表自体から実は 10 年ほど経っていますが、このニュースによって日本国内でも PWA が再注目され始めています。そこで、今回は iOS/Android アプリ開発案件が多い会社の立場から、PWA の定義・役割・メリットなどまず知っておきたい情報をまとめました。
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    デジタルプラットフォームの得意領域の比較表

    Web PWA LINE アプリ
    新規集客 × ×
    リピート集客
    LINE X Facebook Instagram
    新規集客 ×
    リピート集客 ×

    新規集客の効果が Web(SNS などのプラットフォーム) > 個社 Web > アプリであることは言うまでもありません。

    iOS/Android アプリや LINE 公式アカウントはそもそも単体で集客する方法に乏しく、実店舗での案内や広告出稿から認知を獲得することになります。またほとんどの場合は機能を紹介する LP や基本機能を触れる Web 版、ストック流入獲得のためのオウンドメディアなどを同時に開発・運用することになります。

    最近の X のようにプラットフォーマーによる度重なる仕様変更に振り回されはしますが、自社の集客基盤として X/Instagram あるいは SEO に強い Web を持っておくことが非常に大切です。

    PWA が注目される理由の大きな要因として、従来は「集客用の Web+エンゲージ用のアプリ」という併用が必要なのに対して、PWA は集客からプッシュ通知によるリピート促進まで一気通貫で実施できるというメリットが挙げられます。 ただし、iOS の対応がまだまだ完全ではなく、Web として SEO に強い設計を目指すとコストがかさむというデメリットもあります。

    また、特定の年齢層(30 歳以上)や地域に目指したコミュニティなど、条件を満たす場合は Facebook が思わぬ親和性の高さを発揮し、リピート集客に貢献する場合もあります。

    アプリは DL の壁があり、ミニアプリや PWA は Web なので拡散性も担保できる

    Web PWA SNS LINE アプリ
    リファラル集客 ×

    アプリと比べて Web (PWA) が拡散しやすいのは、URL をシェアすることで直接該当ページに飛べるからです。

    LINE プラットフォーム(公式アカウント+ミニアプリ)はリピート集客=LTV 向上に特化して運用するケースが多いですが、ミニアプリは Web で構築するので URL による共有 → 共有されたユーザーが起動することは可能です。

    ネイティブアプリは、友達紹介キャンペーンで双方に特典を付与するなどの施策によって拡散(リンクによる共有)は可能ですが、利用する際は必ずアプリのダウンロードというハードルを越える必要があります。

    PWA そのものは Web アプリであるため、Google Play/App Store に並べることはできませんが、PWA Builder などによって APK の作成は前向きにサポートされています。パッケージ化すれば、Web サイトとして公開されていながら(検索や URL シェアからアクセスできる)、アプリとしても見つけることができる(ストアで検索して DL できる)状態になります。

    セキュリティは Web<アプリ(Apple 社の強みでもある)

    Web (http:) < PWA << ネイティブアプリ

    PWA は SSL 化(https:)を前提とした哲学なので、未対応の Web サイトに比べると安全性は増します。

    とはいえ、Web ベースである限りはソースコードの改ざん、利用者のブラウザ上で悪意あるスクリプトを実行するといった危険性はついてきます。また、PWA をホーム画面のアイコンから起動する場合と LINE ミニアプリを起動する場合は「アプリ風 UI」となって URL を表示するアドレスバーが出ないため、ユーザーが意図しないページにアクセスしてしまうリスクにつながります。

    img - PWA

    ※PWA/ミニアプリの UI はネイティブアプリの WebView に近い

    アプリの場合、App Store/Google Play で審査をした上で管理することが Web に比べて強みとなっています。アプリ内課金の手数料が高すぎると批判されることもありますが、ある程度は必要なコストと考えることもできます。

    ただし、アプリも WebView の脆弱性を突かれるリスク、ネイティブアプリ独自でのセキュリティホールを作ってしまうリスクなどがあるので、開発の際には Web と同様に注意を払いましょう。

    顧客データをより深く活用できるのはアプリのメリット(アクションの数だけ多くのデータが取れる)

    iOS/Android アプリは基本的にログインした状態がキープされるなど、端末=個人としてユーザーの行動データを取得しやすい点が事業者側の大きなメリットです。

    アパレル企業であれば先行セールから需要を予測して生産量・在庫量を調整したり、小売企業であれば潜在的な顧客が多いエリアなど出店候補地を予測するといったデータ活用が最終的なゴールとなるケースも少なくありません。

    iOS は基本的に Web ブラウザがデータを深く・長く保持することを嫌う傾向にあるため、PWA はデータ活用という点ではネイティブアプリに比べて弱いといえます。

    ただ、ネイティブアプリでも深いデータ分析をする場合は定番の Google Analytics・Firebase Analytics だけでなく Adobe Analytics, Treasure Data, Appsflyer, Amplitude, Adjust など分析用のツール契約と SDK 組み込みが必要となります。

    Web/PWA/LINE/ネイティブアプリでできることの違い比較表

    PWA (Web) LINE (Web) アプリ (iOS/Android)
    プッシュ通知
    GPS
    カメラ起動
    生体認証
    NFC
    AR

    エンゲージのためのツールとなる「アプリ」を比較します。

    • PWA=強化した Web アプリ
    • LINE=公式アカウントでの繋ぎとめ&プッシュ通知+LINE ミニアプリ(Web アプリ)による、自社専用のページ
    • ネイティブアプリ=iOS/Android それぞれで開発するアプリ

    スマートフォン独自の機能を Web ベースで使う場合は、ブラウザごとに対応しているかどうかをチェックする必要があります。

    現在のブラウザがどこまで対応しているかは、What Web Can Do Today で確認できます。Chrome と Safari の両方からアクセスすることで iOS/Android 両方の現状がわかります。

    基本的に、セキュリティを重視する Apple 社の iOS (Safari) は各種機能に慎重で、オープンソース戦略をとる Google 社の Android (Chrome) では積極的に新技術が導入されています。

    ブラウザで起動するための調査・検証・実装にコストがかかるだけでなく、iOS 比率が高い日本では約半数のユーザーに対応していない機能が多くなるため、モバイル Web サイトや PWA のデメリットになっています。

    Web・PWA・ネイティブアプリそれぞれのプッシュ通知の違い

    • 許諾率/開封率という面では LINE 公式アカウントが最も優秀
    • iOS/Android アプリは通知をタップすると直接自社のページに誘導できるので、LINE に比べると CV のメリット=集客・購買効果が高い(その分運用が鍵になる)
    • PWA は iOS に依然として課題が多い

    2024 年時点では PWA 化していないサイトでも Web Push を実装している事例が増え、新規サイトにアクセスすると「通知を送信します」というポップアップを見かけることが増えています。

    PWA ではこの Web Push を使ってプッシュ通知を送信することでネイティブアプリに対抗していますが、iOS の対応には不安が残ります(後述)。

    ネイティブアプリの強みは、配信対象を LINE 以上に細かい条件で切り分けることができることです。アプリ内での行動データ、Web サイトから CSV で抽出した特定の会員リストなどからリピート促進・エンゲージ向上のためのプッシュ通知を送ることができます。

    LINE 公式アカウントでもある程度のセグメント配信は可能ですが、ネイティブアプリではより幅広い切り口での配信が可能です。ただ、開封率・リーチ率は個社のネイティブアプリに比べて高くなる(LINE を普段使いするついでで流し見する)ため、事業を伸ばしていく初期~中期フェーズでは併用がおすすめです。

    PWA で〇〇はどこまでできるのか・できないことは何か

    プッシュ通知の送信

    PWA(Service Worker をアクティブにした Web アプリ)では Push API/Notification API を使ってプッシュ通知を配信できます。Web アプリなので、Firebase・OneSignal などが使えます。

    2023 年 3 月に iOS16.4 がリリースされたことにより、Apple 社が提供する OS アップデート可能な iOS と iPad OS でプッシュ通知が受け取れるようになりました。

    ただし、iOS16.4 では「端末に PWA をインストール(ホーム画面に追加)済の場合のみ」配信可能で、下記のように Android に比べてインストールの誘導が難しい点が懸念されます。

    ホーム画面に追加(iOS はまだ制約が多い)

    通常の Web サイトでも、ブラウザアプリから「ホーム画面に追加」することでショートカットアイコンを作成し、ワンタップで該当の Web サイトに飛ぶことができます。

    Android ではタップした際にインストールの許諾を取るリンクも作成でき、さまざまなパターンで「インストールしてホーム画面にアイコンを追加する」ためのバナーを出すことができます。

    img - インストール誘導バナー

    出典:PWA のインストールを促すためのパターン (web.dev)

    一方、iOS 端末ではブラウザのメニューからのみで、文言も「ホーム画面に追加」となります。

    img - PWAインストール図

    ↑ の Android のように切り替わりません

    ホーム画面のアイコンから PWA を起動した際はブラウザのアドレスバーが出ないので、ネイティブアプリのアプリ内ブラウザ(WebView機能)で読み込んでいるような UI になります。 ※ブラウザアプリで URL を直打ちするとアドレスバーが出たままです

    img - PWA

    PWA では Service Worker によりキャッシュできる上に、ホーム画面からの起動時に上記のような UI になることから「インストール」という表現が使われます。

    生体認証

    Safari on iOS の最新バージョン (17.5) と Chrome for Android の最新版 (123) は共に Web Authentication API がサポートされているため、PWA でも生体認証を使った機能をつけることができます。

    Web NFC

    非接触でデータ通信を行う NFC、日本ではソニーが開発した Felica がメジャーですが、こちらも Android が先行しています。

    Web 向けには Web NFC API があり、この API を使用すると Web サイト/PWA がデバイスの NFC リーダーを通じて NFC タグと通信できるようになります。現在の実装では、セキュリティとプライバシーの問題を最小限に抑えるために、NDEF プロトコルを介した通信のみが許可されています。

    こちらは 5 年前の時点から変わらず、Safari では全く対応が進んでいません。不正防止効果の高いスタンプラリーアプリなど、非接触の UX をフルに活用する場合は iOS/Android アプリの開発が推奨されます。

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    スタンプラリーアプリ

    VR/AR

    アプリのダウンロード不要で AR を利用する Web AR に関しても、未だに iOS では対応されていません。iOS 13 以降は、アプリの配信企業がそれぞれの利用者に許諾を求め、利用者が許可しなければモーションセンサーが使えなくなりました。

    端末面でも技術面でも、PWA に AR 機能を実装できるようになる目途はたっていないといえます。

    参考:AppleはARの先駆者なのにSafariで足を引っ張っている?

    オフライン利用

    Service Worker から Cache Storage API を介してネットワークのリクエストをキャッシュに残せるため、オフラインでもページを閲覧できます。PWA は全世界に Android ユーザーを持つ Google が主導する哲学のため、電波が悪い環境が多い地域で強みになります。

    また、キャッシュが残るということは次回以降のページ読み込みが高速化できるということでもあります。

    バックグラウンド同期(iOS はまだ)

    オフライン時に操作した内容を、ネットワーク接続されたタイミングで同期する機能です。これによってリクエストによる待ち時間を減らし、ユーザーにストレスを与えずにアプリを提供することができます。

    Android Chromeの最新バージョン(2024 年 4 月現在は 123)ではバックグランド同期がサポートされていますが、iOS の Safari ではまだ制限されています。

    引用:Background Sync API

    インストール イベントの追跡

    PWA は、ネイティブアプリのように Firebase Analytics でユーザー行動を計測できるわけではないので、Google Analytics で分析することになります。

    現在、インストールイベントを計測するサポートが提供されているのは Chrome と Microsoft Edge のみで、ここでも iOS 独自の対応が必要になります。

    インストール(ホーム画面への追加)数、ホーム画面から起動したセッション数を追跡するにはカスタム開発が必要になります。

    参考:Tracking PWA events with Google Analytics

    このように、PWA のユーザーデータを分析する場合、追跡不可能な領域がでてきてしまうのは否めません。「ガワアプリ」のほうが分析はしやすいので、分析業務を考えると PWA+アプリの併用が現実的といえます。

    アプリストアでの公開

    PWA は、ストアルールと要件を満たすことでアプリストアへ公開することも可能です。

    Android では Trusted Web Activity (TWA) という技術を使うことでネイティブアプリ化して Google Play に登録できます。

    iOS では WebView 機能で PWA を読み込む形のネイティブアプリを App Store に公開する流れになります。作成には PWABuilder などのツールが普及しており、テック界隈では「ガワアプリ(ガワネイティブ)」と呼ばれています。

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    また、企業にもメリットがあります。Google Playにアプリを掲載すると、Google Play Billingの機能が利用できるようになります。

    ガワアプリについての注意点

    ガワアプリとは、 WebView を使って構築したアプリのことです。 俗称であり、外側(見た目)はネイティブアプリですが、中身は既存の Web が大部分を占めるため「ガワアプリ」と呼ばれています。

    しかし、ガワアプリをアプリストアへ公開する際にも、ストアルールと要件を満たす必要があります。

    App Reviewガイドラインには以下のように記載されています。

    4.2 最低限の機能
    アプリを作成する際は、Webサイトを単に再パッケージしたようなものではなく、優れた機能、コンテンツ、UIを作成するようにしてください。特に利便性も独自性もなく、アプリらしさもない場合、そのアプリをApp Storeで提供することはできません。アプリが継続的に楽しめる何らかの価値、または十分な有用性を備えていない場合は、承認されない可能性があります。
    引用:App Reviewガイドライン

    このように、既存の Web に何も付加価値をつけていないスマホアプリの場合はリジェクトされる可能性があるということです。 リジェクトされないためには、iOS ネイティブ開発で独自の機能をつける必要があります。

    まとめ

    アプリ開発を中心に手掛けている当社でも、PWA に関しては継続的に情報収集を行っていますが、やはり iOS はネイティブアプリありきの世界観だと感じます。

    「Google は広告の会社なので Web の関連技術が盛り上がると都合が良いが、Apple は App Store からの収益を減らしたくない」と言われてきている通り、2025 年以降も Android と同等の対応を求めるのは現実的ではないかもしれません。

    とはいえ、既存の Web のパフォーマンス向上という点では(予算などの都合がつけば)悪い投資ではありません。

    当社では既存の Web の改善からアプリとの使い分けの整理、およびアプリをどんな立ち位置で運用してどう設計するかのコンサルティングからお手伝いさせていただきます。既存顧客のエンゲージメント向上・LTV マーケティングの開発パートナーをお探しの際はぜひ一度お気軽にご相談ください。

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    • 「自社アプリを考えているが、初期投資を抑えてまずは試してみたい」
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