2019年、LINE@と企業公式アカウントが統合━━料金プラン変更による値上げ後、費用は自社アプリのほうが安くなるかも?

ビジネス用途での LINE を活用されている方にとっては、大きなニュースが舞い込んできました。

LINE 社は、2019 年より順次、これまで顧客とのコミュニケーションを活性化させるツールとして利用されていた企業向け LINE アカウントのサービス内容をリニューアルすることを発表しました。

これまでは “月額で” 数百万円がかかる「LINE公式アカウント」から、無料で中小企業が利用できる「LINE@」まで、企業の規模にあわせたメニューが独立していました。しかし、2019 年の夏頃からは、これらが公式アカウントサービスとして一つに統合されます。

BackApp スタッフの周囲でもちらほらとさまざまな声が聞こえているので、今回はこの機会に「LINE から自社アプリへの切り替えを検討する際に知っておきたいこと」などをまとめました。

役割の違い、比較したときのメリット/デメリットに関する記事として下記もまとめてありますので、よろしければご一読ください。

参考:2019年からLINE@がリニューアル? 企業公式アプリとのメリット・役割の違いとは

今回のアップデートのポイントは「従量課金制」 新しい LINE 公式アカウントの特徴は?

  • 基本料金無料 or 月額 5,000 円〜の中小企業向けプランでも、高度な機能(データ解析など)が使えるように
  • 基本料金は最大でも毎月 15,000 円と、従来(数百〜数千万円)より大幅に値下げ
  • 月額 15,000 円〜の大企業向けプランでは、配信するメッセージ数に対する従量課金制に(1 通あたり 1〜3 円)
  • 従量課金への移行に伴い、3 つのメッセージまでが 1 通としてカウントされるように(写真+テキスト+リンクなどのセットごとに課金)

ある程度の LINE 運用経験のある方にとって、なんといっても大きな変化は「基本料金の値下げ+従量課金制」という体制への移行です。

これまでさほど多くの顧客に、多くのメッセージを配信していなかった企業であれば、従量課金といえどあまり大きな金額にはならないでしょう。しかし、運用が上手くいき、順調に成果を出していた企業からは、お悩みの声も聞かれます。

機能の Before/After に関しては下記の記事が参考になるかと思いますので、詳細が気になる方はご一読ください。

参考:【2019年最新版】LINEの企業向けアカウント統合に関する情報まとめ!LINE@も統合へ

料金プラン変更後の LINE と企業公式アプリ、単純に「費用」で比較できる?

LINE も同様ですが、iOS/Android アプリの場合、顧客一人ひとりのスマホにインストールされていなければなりません。言うまでもなく、企業公式アプリをダウンロードしてもらうことは、LINE で友だち登録をしてもらうよりも圧倒的にハードルが高いです。また、アプリ自体の保守運用を LINE 社がやってくれることも、自社で Web サイトを運用していればありがたみを感じると思います。

ただし、すでに LINE@ の運用経験のある方からすると、「友だち獲得コストが低く、投稿の CTR が高くても、期待する CV(水準)にはつながっていない」あるいは実店舗来訪などの場合は「LINE 経由の CV を計測しきれない」というデメリットを感じておられるかもしれません。

そんな「改善の余地がありそう」、かつ完全従量課金制という料金プラン変更が実質の「値上げ」になってしまう状況であれば、2019 年から(改めて)自社独自の iOS/Android アプリ開発も検討することになると思われます。

LINE とアプリで運用コストはどう変わる?

アプリの開発費(iOS/Android 両方を想定)は、どんな機能をつけるかによって大きく左右されるので一概には相場を出すことができません。ですが、あくまで LINE@・公式アカウントからの乗り換えでスモールスタートを切る場合は、そこまで大きな開発費はかからないでしょう(それでも Web に比べれば高いですが…)。

ただし、必要になってくるのは広告費です。これは新規顧客獲得だけでなく、休眠ユーザーの掘り起こしやアンインストール防止の側面もあります。単純に「ユーザー増加率」「アクティブユーザー数」を維持するにはある程度の予算を投下することになるでしょう。CPI はジャンルや出稿クリエイティブによって変わりますが、LINE や一昔前の Facebook ほど安くはなりません。

◆自社アプリの保守・運用で必要なコスト

  • 広告費用(新規獲得+リテンション)
  • 不具合修正の開発リソース(内製 or 外注)
  • iOS/Android 自体のアップデート対応(それぞれ 1 年単位)
  • iPhone など新端末の画面サイズ対応(不定期)

参考:アプリの公開後にかかる費用とは?リリース後の保守・運用コストを考えておこう

※メッセージ配信の運用チーム、データ分析スタッフの人件費は共通
※機能の追加開発費は事業戦略によるので省略

売上枠で目指すべきは顧客単価の向上

もし運用コストに大差がない場合、売上を伸ばすことができれば利益は向上することになります。

LINE@・企業公式アカウントから自社アプリに移行した場合、広告やアカウント運用を頑張ってもユーザー数(友だち数)を維持することは難しいでしょう。ですので、アプリではユーザーの購入単価の向上を目指すケースが多くなります。

たとえば

LINE:友だち数 10,000 人 × 顧客単価 500 円
自社アプリ:ユーザー数 4,000 人 × 顧客単価 1,500 円
→ 売上は LINE(500,000 円) < 自社アプリ(600,000 円)

というように、ユーザー減を単価向上でリカバリーできる状況は「LINE→アプリ」乗り換えの理想形の一つといえます。

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LINE@・企業公式アカウントからの乗り換えは「コストダウン目的」になってはいけない

上記のように単価を目標とするのは一つの例です。他には O2O 方面、顧客の行動分析に力を入れるなどのパターンも考えられます。

とにかくアプリ制作会社の立場で強調しておきたいのは、「自社でアプリを持ち、開発・運用していくほうがコストが下がる」といって意思決定をするのは危険だということです。

Web サイトや SNS 広告の業界と比べて、アプリのエンジニア・デザイナーや運用担当者は人材の絶対数が少なく、多くの企業が採用に苦労しています。そのため、中途採用自体に大きなコストがかかり、せっかく採用しても他社に好条件で引き抜かれてしまう…というリスクもあります。

また、「LINE@ が高くなったから、とりあえずアプリを開発するか」といって簡易的なものをつくってしまうと、低評価のレビューが集まって”負の遺産”となってしまうことも要注意です。

参考:

新しい LINE 公式アカウントもアプリも「コストが上がっていく中で売上を伸ばしていく」スタイルは共通

アプリ事業を始めようとするお客様によくお伝えするのですが、iOS/Android アプリを開発・運用する際は、ある程度の出金に耐えられるだけのキャッシュ・フローが重要になります。格安テンプレートの流行も落ち着き、アプリ業界全体の傾向としては「大きく投資して大きなリターンを狙う」ジャンルになっています。

しかし、完全従量課金制という新しい LINE@ の料金プランもまた、運用が上手くいくほどコストが増大していくモデルです。そう考えると、再訪促進・単価向上など顧客のエンゲージメント向上施策というフィールド自体が「ハイリスク・ハイリターン」という一つの形に統合されてきていると見ることもできます。

ですので、単にコストだけを比較するのではなく、LINE・アプリの戦略を明確にした上でゴールを設定していただければと思います。

LINE@・企業公式アカウントの料金プラン変更を受けて2019年に企業が考えておきたいことまとめ

  • 小規模な事業者以外は再訪促進・単価向上の施策自体が「ハイリスク・ハイリターン」になりつつある時代と考えることもできる
  • 「LINE@ が高くなったからアプリに移行しよう」という安易な乗り換えはおすすめできない
  • 比較的各種リスクが少ない LINE か、勝負に出る自社アプリか、ゴールを明確にした上で決断しましょう

特に現在 LINE@ を運用されており、今回の従量課金制への移行を機に自社アプリへの乗り換えを検討されている企業様は、ぜひ BackApp にもお気軽にご相談ください。

ビジネスサイド・開発サイドのバランスを考えながら、貴社のビジネスの状況を踏まえてどんなアプリを構築すればよいかなどご相談に乗らせていただきます。

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