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【アプリ事業の予算組み】iOS/Androidアプリ開発費用の目安と、外注・委託時の注意点

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2024.02.01
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    アプリの企画・開発にあたってよくご相談頂くのは、「どれほどの予算が必要なのか」「そもそも自社のようなアプリの開発費の相場がわからない」「SaaS とフルスクラッチ、どちらが “お得” なのか」というコストに関するお悩みです。

    事業計画を立て、社内で意思決定をするためには事前に予算規模を知っておきたいところです。とはいえ、アプリの開発費用は開発手段はもちろん、一つの機能を実装するかどうかなどの仕様によっても変化するため、「相場は○○万円程度です」とは断言しづらいものです。

    Backapp ではこれまで 200 件近いアプリ開発の実績があり、フルスクラッチ開発、アジャイル開発に加えてパッケージ型のプラン、および「ハーフスクラッチ」型のプランもご用意しています。

    そこで、本記事では事前に知っておきたい知識として、iOS/Android アプリ事業の「開発コスト」の算出方法と、開発手法・ジャンルによる違いなどをご紹介します。

    1. 一般的なアプリ開発費用の相場とは?

    img - 比較表

    出典:

    MLS Dev のレポートでは、iOS/Android アプリのジャンルごとの開発費用・スケジュール(工数)の相場を紹介しています。

    ツールアプリ

    • 必要な機能:タスク管理、個人カレンダーなどシンプルな機能(通信はするが、ログインの必要なし)
    • 開発費用:15,000 ドル以上
    • 工数:1〜2 か月

    店舗アプリ

    • 必要な機能:会員ログイン、ポイント/クーポン発行、顧客管理など
    • 開発費用:60,000 ドル以上
    • 工数:3〜6 か月

    EC アプリ

    • 必要な機能:ログイン、商品検索、商品ブックマーク、決済、在庫管理など
    • 開発費用:60,000〜300,000 ドル
    • 工数:3〜9か月

    SNS・コミュニティアプリ

    • 必要な機能:ログイン、チャット、交流、画像処理、大規模アクセス処理など
    • 開発費用:60,000〜300,000 ドル
    • 工数:3〜9か月

    プラットフォーム型アプリ(旅行・宿泊予約など)

    • 必要な機能:多岐にわたる
    • 開発費用:300,000ドル以上
    • 工数:9 か月以上

    1-1. iOS/Android アプリに限らず、開発費用は「規模(工数)」次第

    上記の記事でジャンルごとに代表的な機能について触れられているように、アプリの開発費用は、ジャンルで相場が決まるわけではありません。どんな機能を持つ・どんな仕様のアプリなのか=開発者がどれだけ作業するかによって、開発にかかる費用(原価)が決まります。

    相談を受けた制作会社は「どんな機能が必要になるか」を想像し、そこから「実装〜テスト〜納品までにどれだけの工数がかかるか」を計算します。これは初期費用だけでなく、リリース後の保守運用・追加開発・改善作業にも共通します。

    注意点として、「どんな機能を持ったアプリを作るのか」という要件が曖昧だと、開発者側が発注者と異なるアプリを想像してしまい、想定する作業量=見積もり金額が不正確になってしまうことです。

    ですので、アプリ開発のコストを正確に算出するためには、まず企画をしっかりと固めることが必要です。

    1-2. アプリの構築手法によってコストに大きな違いが生まれる

    自社で iOS/Android アプリを構築する際、

    • パッケージサービスと契約する、SaaS 型のノーコード開発
    • イチからオーダーメイドで作る、フルスクラッチ開発
    • パッケージを利用しつつ、カスタマイズを行うローコード(ハーフスクラッチ)開発

    と、構築する方法によって特に初期費用の相場が大きく変わります。

    上記記事では、一般的な小売アプリ(店舗アプリ・会員向けアプリ)=800 万円程度 とありますが、目安としては

    • ノーコードパッケージの導入:100~300 万円
    • パッケージを活用したローコード開発:300~800 万円

    程度になります。

    初期費用だけを見ればノーコード開発が魅力的に見えますが、構築手法にはそれぞれメリット・デメリットがあります。自社の要求を整理し、最適な手法を選ぶことが重要です。

    2. アプリ事業で必要なトータルコストと内訳

    アプリ事業を行う上でかかるコストの内訳としては、

    • 初期費用
    • システム維持のための保守費用
    • 追加開発費用(デザイン改善・機能追加)
    • 広告や宣伝など、アプリの認知度を高めるためのマーケティング費用

    となります。

    保守費用はアプリ開発費用の 15% 程度とされており、マーケティングにかかるコストは初期開発価格の 2~3 倍が目安とされています。

    つまり、一般的な店舗アプリの場合、年間 100 万円程度を保守費用として想定し、積極的にユーザーを増やしていく場合は年間 1,000 万円以上の予算を用意しておきましょう。

    アプリ事業の場合、iOS/Android ともに毎年アップデートされることで、保守作業の重要性が高くなっています。

    • システムやアプリの障害発生時の復旧作業
    • OS アップデートにともなう修正作業
    • システム環境の監視
    • システムやサーバーデータのバックアップ作業

    といった内訳となりますが、

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    3. ノーコードとスクラッチ開発の違い

    3-1. 費用面での違い

    SaaS パッケージを契約するノーコードアプリ

    • 初期費用はフルスクラッチで開発するより安い
    • 法人税や「無形固定資産(ソフトウェア)」としての経費計上など、長期的な事業計画になるほど経営面でメリットがある(※後述)
    • ランニングコストは事業規模が大きいほど高い
    • 契約時には運用コストが低くても、事業が伸びると高くなるケースも

    パッケージ型のアプリは、ごく小規模な事業者向けのものは月額 1~10 万円ほどで提供されている場合もありますが、デザイン・セキュリティ面など最低限の品質を満たす大企業向けのものは月額 20-30 万円以上が目安になります。

    インストール数やアクティブユーザー数が増えるほど毎月のコストは増大しますが、毎年の OS アップデート対応の費用も含まれていたり、経費計上のメリットなどにより費用面ではフルスクラッチ開発に比べて「お得」感が高くなります。

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    スクラッチ開発

    • 初期費用は高くなり、法人税など事業立ち上げ初期の負担が大きい
    • ランニングコストは追加開発の作業量に影響されるため、多くの場合パッケージよりは低い
    • 「アジャイル開発(開発手法の一つ)」を選ぶとランニングコストは計画的に設定可能
    • ノーコードとフルスクラッチの中間となる「ローコード(ハーフスクラッチ)」も多い

    スクラッチ開発の場合、費用面では負担が大きくなりがちです。ですので、近年ではパッケージを活用して開発費用を削減するローコード開発も増えています。かつてのように「安いパッケージ利用か、フルオーダーメイドか」という二択ではなくなっているため、さまざまな開発手段を理解した上で最適な選択肢を選ぶことが重要です。

    また、アジャイルで開発を行うことで、毎月の決められた予算の中でアプリを作っていくこともできます。

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    3-2. 品質や運用への影響の違い

    開発手法 メリット デメリットやリスク
    ノーコードサービス ・初期費用の負担が低い
    ・業界のトレンドを押さえやすい
    ・カスタム性が低い
    ・大規模になると運用コストが割高になる場合も
    ローコード開発
    ※ハーフスクラッチ
    (ノーコードとフルスクラッチの中間) (ノーコードとフルスクラッチの中間)
    フルスクラッチ開発 ・自社の事情に合わせて細部まで作り込める
    ・アプリの動作速度を改善しやすい
    ・開発チームやベンダーの設計・技術力に左右される
    ・初期費用の負担が大きい
    ・開発期間が長い
    アジャイル開発 ・アプリをリリースし、運用を始めてから柔軟に追加開発できる
    ・予算をコントロールしやすい
    ・全体の舵取りが非常に重要
    ・トータルでは費用が低いわけではない

    比較記事はこちら

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    パッケージ型契約で iOS/Android アプリを構築すると、初期費用ではフルスクラッチ開発に比べて安い金額で済みます。

    ただし、LINE や SaaS のパッケージ内を利用していると

    • できることには限界(制限)がある
    • ユーザー数が増えるほど運用コストも膨大になっていく
    • 乗り換える際にはスクラッチで作り直したほうが効率的であることが多く、コストがかさむ

    というデメリットもあるので、中長期的な目線で見れば費用対効果には疑問符がつきます。

    特に、運用していくにつれて「同業他社は問題ないかもしれないが、自社ではコレができなければ困る」「自社で使っているこのツールと連携ができないと、業務効率が落ちてしまう」といった悩みが発生することが問題になりがちです。

    img

    4. 開発費用を調べたり見積もりをとったときに「想定以上に高い」と思ったら…

    一般的に、「アプリ事業に興味はあるが、予算面で厳しい」となった場合は、

    1. ノーコード/ローコード開発を検討する(あまりにも安すぎるサービスはアプリ本来の役割に反するので非推奨)
    2. flutter など、クロスプラットフォームで開発する
    3. ネイティブアプリではなく、Web アプリや LINE 公式アカウント+ミニアプリで代用する

    という順序での検討をおすすめします。

    もし、アプリでやりたいことが多いわけではなく、プッシュ通知の配信で継続的に顧客接点を作りたいという目的であれば、LINE や PWA といったツールでも実現できる可能性があります。

    ですので、事業計画の中でアプリの開発費用・運用費用を考える際には

    • さまざまなアプリ開発手段、およびアプリの代替品となるツールについて情報を収集する
    • 自社の事業モデル・業務フローと相性が良いものを選ぶ

    という流れで進めることをおすすめします。


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    • 「アプリ開発で失敗するパターンとは?」
    • 「ノーコード開発とスクラッチ開発の違いって?」
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