「iPhone・Androidアプリの見積もり金額が平均的に高い」と感じるのは何故?値段の内訳と予算を抑えるポイント

さまざまな業種のお客様から、「アプリ開発を考えているからいくつかの会社から見積もりを出してもらったんだけど、予想よりも高い印象だった」という声をお聞きします。

最近では、Web サイトの開発は少し相場感がわかりやすくなってきましたが、iOS/Android アプリ開発のコストはまだまだ不透明な面も多いと感じています。

ただ、BackApp としましても、「御社のスマホアプリ開発費用の相場は?」と聞かれた際には、「ジャンルによってある程度の目安はあるが、お客様の目的に応じて実装する機能の一つで大きく変わる可能性があるため、確約はできない」という回答になります。

そこで、今回はスマホアプリ開発の外注・委託を考えている企業のご担当者様向けに、見積もりの算出の仕方、開発費用を抑える方法など、まず押さえておきたいポイントを整理していきます。

また、開発費から運用コストまで含めたトータルでのお話は下記の記事を参考にしてください。

参考: 【開発費用の相場・目安とは】iOS/Androidアプリの見積もり金額の考え方と、外注・委託時に意識していただきたいこと

iOS/Android アプリのジャンルごとの開発費用の相場とスケジュールの目安

MLS Dev のレポートでは、iOS/Android アプリのジャンルごとの開発費用・スケジュール(工数)の相場を紹介しています。

参考:App Development Cost: Understand Your Budget To Build Powerful Apps

たとえば EC アプリは事業の規模などによって大きく変わることが伺えますが、下記のようにある程度の形が決まっているものもあります。そこからジャンルごと、機能による相場を読み解くこともできます。

飲食店舗アプリ

  • 必要な機能:ログイン、ポイント/クーポン発行、顧客管理など
  • 開発費用:50,000 ドル以上
  • 工数:3〜5 か月

出前や配車のプラットフォームアプリ(Uber など)

  • 必要な機能:ログイン、チャット・通話、配送サポート、決済など
  • 開発費用:70,000〜80,000 ドル前後 × 2(ユーザー側と企業側)
  • 工数:5〜7か月

旅行・宿泊予約アプリ

  • 必要な機能:多岐にわたる
  • 開発費用:240,000ドル以上
  • 工数:9 か月以上

「開発コストが高い/低いジャンル」があるのではなく、機能によってコストが変わる

インターネット上には上記のような「◯◯系のアプリ開発を外注したときの相場はこれくらい」という情報もありますが、私たちとしては「多くの iOS/Android アプリは平均的にこれくらいの金額で開発されていると思うが、お客様が検討されているアプリにも当てはまるとは限らない」という感覚です。

たとえば「カレンダーアプリに比べると EC アプリのほうが費用が高い」というのは、前者は提供する価値=実装が想定される機能が限られており、後者はクリアすべき要件が多いことが大きな理由です。また、恋愛系や占い系はプロフィール情報の精度やおすすめ(データ解析)機能が重要という風に「よく使われる機能」をベースに開発費を概算することが多いかと思います。

極端な話、カレンダーアプリは価格相場が安いと言われているからといって、別のアプリが内包されているような多機能なアプリを企画して見積もりを出してもらった場合は、多くの会社から予想以上に「高い」金額が返ってくるのではないかと思います。

外注企業は想定した作業量によって見積もりの金額を算出する

見積もりを求められた各社は、「こんなアプリになるだろう」というイメージを描いて開発費を計算するのですが、このイメージにズレが生じることが少なくありません。つまり、外注時の見積もり金額が各社で異なるのは、どちらかといえば「各社がそれぞれ(細部の)違うアプリを思い描いている」ことが大きいのです。

企画段階では、iOS/Android アプリとして提供する価値は明確になっていても、細かい仕様は固まっていないことも多いです。

たとえばプッシュ通知機能を一つとっても、

  • ある程度セグメントを分けて配信できればいい
  • スケジュールや特定条件での配信がしたい
  • 専門知識がないスタッフでも簡単に配信できる UI にしたい

など、既存企業のアプリの中でも仕様には細かい違いがあります。こういった認識の差があると、見積もり金額を正確に出すことは難しくなります。

ですので、外注する際は企画の要件をしっかりと固めるか、ある程度議論やコンサルティングを重ねて進めていくほうが予算は組みやすくなります。

見積もりの違い

iOS/Android アプリの開発費用を抑える方法(見積もり金額が高いと感じるときに見直すポイント)

他社サービスを活用し、独自開発部分を減らす

見積もりの時点では想定される作業量に応じて金額を算出するので、アプリの機能をゼロから開発するよりも、他社サービスと連携させるほうがコストは平均的に下がります。

ほとんどの場合は独自開発部分を他社サービス連携に置き換えるほど開発費は下がります。

  • 決済 → 既存のシステムを使う
  • 会員登録 → Web と統合

という風に、iPhone/Android アプリ側ではなくユーザーごとにアカウントを連携してもらう仕様にすることで、開発費を抑えるというような工夫もできます。

また、デザインに関しては「社内にグラフィックデザイナーがいるから、自社でできる(=開発費用は下がる?)」というご要望もあるのですが、「紙に描いたデザインイメージがそのまま実装できないケース、あるいはそのまま実装しようとするとコストが跳ね上がるケースもある」という点には注意していただければと思います。

参考:「そのこだわり、本当に必要ですか?」制作会社が考える、スマホアプリのデザインの作り方

iOS/Android どちらかだけでスタートしてみる

iOS と Android の両 OS でアプリを開発する際は、簡単に言うと 2 つのアプリを構築することになります。

意外に盲点だといわれることもあるのですが、両 OS に対応するだけで開発・外注する際は人件費=見積もりの価格も上がります。「スマホアプリ開発はWeb サイト制作に比べると高い」と言われがちですが、一人のエンジニアが近しいコードで PC サイトもモバイルサイトも構築できる Web とは比較しづらいといえます。

iOS は Apple 社を支持する情報感度の高い層が多い一方、Android は多くのメーカーがさまざまな機種を販売していることから年齢層が幅広く、所持するユーザー層には違いがあります。ですので、今検討している企画のターゲットがはっきり絞れている場合は、片方のみでスタートしても十分効果が出る可能性もあります。

アプリ事業はコスト負担が大きいため、事業として成立させるためには障壁がいくつかあります。片方の開発を保留するのはあまり一般的な施策ではありませんが、アプリ事業に慣れないうちのリスクヘッジという側面もあります。

制作会社が手掛けるパッケージを使う

iOS/Android アプリの平均的な開発費用は多くの企業にとって負担となるので、パッケージやテンプレートを提供している企業も多いです。

  • セルフサーブ型:簡単なアプリを自社で構築できるツールを使う(Wix, ペライチなどのアプリ版)
  • パッケージ型:既に用意された共通機能で自社アプリをつくってもらう
  • 複合型:ある程度は自社で開発~運用できる大手(yappli など)
  • その他:制作会社が社内で所有している資産=テンプレートを元に、ある程度共通の仕様で作業量を抑えてつくってもらう

パッケージサービスを使う場合は競合他社と差別化しづらい、多くの企業の共通課題に沿って開発されているため自社独自の事情に対応してもらいづらいというデメリットもありますが、開発費~運用費までのトータルコストが安くなることが多いです。

ただ、パッケージサービスは「アプリ事業が軌道に乗るまでのスモールスタート策」という側面が強いため、パッケージを利用してコストが数百万かかるなら独自で開発したほうがメリットが多いです。とはいえ安さを全面に押し出しているものは品質面に不安が残るため、バランスが重要になります。

また、そもそも「どうしてもアプリでなければ実現できない」という要件ではない場合は、自社のネイティブアプリにこだわらず、Web サイトの PWA 化や、LINE ミニアプリなども選択肢に入るかもしれません。

参考:ハイブリッドアプリ(webview)とネイティブアプリ、Web アプリ(PWA)の違い・各メリットとは?

「スマホアプリ開発を委託したいが相場感がわからない」とき、まず押さえておきたいポイントまとめ

  • 「どんなアプリになるか」を正確に設計できるほど、相場・平均金額に近づく
  • 既にあるデータベースを使うなど、企画を整理することで値段を抑えるという工夫も
  • 「どの機能がコストなのか」という内訳を聞いても教えてくれない会社は危ないかも
  • iPhone と Android で特性が異なるので、労力=費用も倍になる(まずは iOS/Android 片方だけでスタートするという事例もある)
  • スモールスタートする場合は制作会社のパッケージを活用する企業が多い

BackApp では企画段階からお客様の狙いをしっかりヒアリングし、ただのアプリ開発の外注ではなく「ビジネスとしての施策提案」をさせていただきます。

見積もり依頼はもちろん、どんなアプリにすればいいのかをまず改めて整理していきたい、予算が限られているので今の企画が収まるかどうかを相談・調整したいという場合も、ぜひお気軽に相談ください。

BackApp は、アプリ開発に特化して成長している組織です

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「企画から開発までトータルで外注したい」「事業側は自社でやりたいので、開発のみ委託したい」など、御社の状況に応じてアプリの企画・開発を承ります。当社の開発事例や業界の傾向・最新事例なども含めてお話しますので、お困りのことがあればぜひ一度ご相談ください。

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