【アプリ化のメリットとは】WebサイトやSNSとの役割の違いをまず整理しましょう

今の時代、消費者が企業の情報を入手する経路はほとんどがスマートフォンやタブレットなどモバイル端末になっています。

多くの企業では、PC 用の Web サイトよりはレスポンシブサイトや SNS 運用、あるいは iOS/Android アプリの重要性が圧倒的に高まってきている時代です。

理想はオムニチャネル

しかし、アプリ事業に慣れないうちは運用コストや業務負荷が大きいため、そもそもなぜ Web サイトをアプリ化するのか、SNS ではできないことなのかを考えず、「とりあえずアプリが必要だから開発しよう」と考えても軌道に乗せるのは難しくなります。

だからこそ、我々のような制作会社はアプリの企画・設計の段階でご相談を承り、「アプリが何の役割を担うべきか」「Web や SNS とどう連携するか」など、要件を整理することが重要だと考えています。ここではまず最初に頭に入れておきたいポイントを整理していきます。

アプリ化によりモバイルでのUI/UX(体験)が最適化できる

Web と比較した際、iOS/Android アプリのメリットとしては

  • コンテンツ部分を一度読み込んだ後は端末のストレージに画像をキャッシュするなど、通信量を減らして操作性を快適にできる
  • ホーム画面のアイコンをタップすれば起動・復帰できるので、煩雑になりやすいブラウザのブックマークよりも離脱・休眠しづらい(他のアプリやサイトを開いていても元の画面に戻りやすい)
  • 初回訪問時にユーザー登録・ログインをしなくても、検討中の商品などの情報を一時的にアプリ内部に保存できる

という点が挙げられます。

モバイルのブラウザで Web サイトを見せることにデメリットが大きい

Google の PWA 公式ページでも、Web サイトを PWA 化(ネイティブアプリ風の UI/UX)にしたことで、CVR が大きく向上したという事例が紹介されています。

厳密には "Web アプリ" である PWA でも一定の改善効果が見込めるということから、Safari/Chrome というブラウザで通常のモバイルサイトを閲覧するという行為がユーザーに好まれないことが読み取れます。

ECアプリのメリット

参考:小売業界ではアプリをやるべき?活用を成功させるために重要な視点

※補足
Web サイトとアプリの中間といえる PWA でも、現在は Android のみとはいえ「ホーム画面に追加」ボタンとアプリ用のプッシュ通知が実装できます。iOS 待ちという事情、出し方に工夫な必要なことなどもあり、確かにまだ国内での導入事例は少ない状況ではあります。

アプリ化することで顧客を再訪(リピート)させやすくなるのがメリット

Web サイトの再訪時にはブックマークから遷移することになりますが、件数が増えるにつれて見つけづらくなってしまいます。アプリであればホーム画面のアイコンからすぐに起動できるので、迷うことは少なくなります。

そして、アプリ最大の再訪促進施策は、iOS/Android ならではのプッシュ通知の配信です。Web ブラウザでもプッシュ通知(Web Push)を送ることはできますが、ブラウザを起動しているときのみのため、即時性の高い情報・すぐにリーチさせたい期間限定の情報には向いていません。

また、ユーザーが“お試し”でインストールしてユーザー登録を後回しにしたとしても、ゲストアカウントのままブックマークや PUSH 通知の受信などが使えることも大きなメリットです。

メルマガよりも開封率が高い「プッシュ通知」が iPhone/Android アプリのメリット?

一般の消費者を対象にした BtoC アプリの場合、大きなメリットとして「プッシュ通知(メルマガよりも明らかに開封率が高い)を送ることができる」という機能がよく挙げられていました。

しかし今では再訪促進施策として有用な LINE 公式アカウント、ブランディングに適していながらショッピング機能も実装された Instagram が支持されており、既存のプラットフォームのアプリの中で顧客への訴求ができるように機能が強化されています。

当然、LINE や Instagram はほとんどの消費者が既にアプリをインストールしているので、「PUSH 配信で自社の情報を広く届ける」ために企業公式アプリの開発が必要という状況ではなくなっています。

ですので、企業公式アプリでプッシュ通知を活用するためには、ユーザーの属性やステータスに応じて配信の有無・内容を変えるなどきめ細やかなサービスが必須といえます。

企業公式アプリにはPUSH配信以外にも多くのポテンシャルがある

特に小売企業の EC サイトなどでは、アプリ化でプッシュ通知からセールに誘導できるだけでも大きなメリットがあるのは事実です。

とはいえ、ただのクーポン発行アプリになってしまうと費用対効果の面で疑問が生まれてきます。企業公式アプリで語られる内容が「プッシュ通知でセール誘導」「会員カードのアプリ化」「OMO(O2O)の主要チャネル」など 10 年前からほとんど進化していないのも、テンプレート的なアプリでお茶を濁してきたことに原因があるのかもしれません。

他社のプラットフォームではなく企業独自のアプリとして開発するのであれば

  • カメラやQRコードを使った紙媒体などとの連携
  • 位置情報やビーコンなどを使った行動ログの取得
  • 特定位置に入ったユーザーに対してのプッシュ通知や特定画面への誘導
  • アプリ内で楽しめるミニゲーム

といった取り組みが自由に行えます。

iOS/Android アプリのミッションは顧客のロイヤリティを高めてブランドのファンになってもらうことなので、上記のような取り組みで自社ならではの価値を出すことも重要になってきます。

パッケージ型(SaaS)?フルスクラッチ開発?それぞれのメリット

専門知識がなくても Web サイトを簡単につくることができるサービス、AI が自動でロゴをデザインしてくれるサービスが普及するなど、近年では “自動化” や “簡略化” がトレンドになっています。

その流れで、簡単に iOS/Android アプリをつくることができるという、いわゆるノーコードのパッケージサービスは年々増加しています。さらに、あまり予算をかけずにスモールスタートをしたい中小事業者向けにはアプリの代わり、iOS/Android の自社アプリを開発する前の段階として LINE 公式アカウントがさまざまな機能を追加しています。

パッケージサービスは多くの企業の実際のニーズに沿って開発されているので、「ファッション」「飲食店」「サロン」「不動産」などのジャンルに応じて、初期費用を抑えながら最低限の水準を満たせることがメリットです。

とはいえ LINE や SaaS のパッケージ内でできることには限界があり、ユーザー数が増えるほど運用コストも膨大になっていくので、自社にとって本当に必要なものが見えてくる頃にはフルスクラッチでイチから作り直すことになる…というケースもあります。

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参考:

自社アプリを作る手段を考える際にも、Web とアプリの使い分けのように改めてアプリの “役割” を整理することで最適な選択肢が見えてきます。

このような背景から、BackApp ではアプリ開発の相談に乗る際は要件定義の段階から、「どんな役割をアプリに持たせるか」「パッケージ型契約か、スクラッチでつくるか」という視点で考えることを重視しています。

「うちの場合、どんな機能が必要だろう…」「パッケージ型のデメリットをもっと詳しく知りたい…」などとお悩みの際は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

お役立ち資料公開中

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  • 「アプリ開発(外注)でよくある失敗パターン」
  • 「ベンダーに発注するときに気をつけておきたいポイント」
  • 「SaaS(クラウドのパッケージサービス)とフルスクラッチ開発の違い」
  • 「アジャイル開発のメリットとデメリットとは?」

など、iOS/Android アプリの開発プロジェクトを初めて経験する担当者の方などに向けた資料を公開しています。