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他社アプリのダウンロード数を調べる方法はある?競合調査で見るべきポイントと注意点

アプリで失敗しないためのポイント
2024.03.18
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    みなさんは、新しくアプリをインストールする際、アプリストアのどこをみてインストールしようと決めますか?

    アプリストアの公式レビューやダウンロード数が多く、「安心できるから」という理由によりダウンロードに至るケースもあるかと思います。

    企業がアプリ事業をスタートする際・あるいは見直す際には「競合調査」が欠かせません。App Store/Google Play にある情報も調査には活用することができますが、それだけでは十分とはいえません。

    本記事では、他社のアプリのダウンロード数を把握する方法や注意点、外部ツールの紹介や競合調査の詳しい手順についてご紹介いたします。

    1. iOS/ Androidアプリのダウンロード数を調べる方法

    アプリのダウンロード数を調べる方法は主に 2種類あります。無料ですぐに見られるものと、有料(お試し無料期間あり)で外部のツールを利用する手段です。

    1-1. 無料ですぐに見られるもの

    Android アプリのストアである Google Play では、アプリの詳細ページ(インストール画面)に、おおよそのダウンロード数が表示されています。 携帯端末を持っていなくても、 PC からアプリの詳細ページで見ることが可能です。

    img - Googleplay DL number

    また、自社で開発したアプリについては、 Google Play Console 及び App Store Connect でアプリインストール数を取得できます。

    1-2. 外部ツールの利用が必要なもの

    iOS / Android まで含めて他社のアプリの DL 数を見るには、専用のツールが必要です。 以下にアプリの競合調査ができるツールをいくつかまとめていきます。

    data.ai

    旧称は「app annie」です。data.ai は、アプリ計測ツールの中で最も有名な競合調査ツールです。

    100万以上のアプリだけでなく、数千もの Webサイトのデータを参考にすることで、モバイル市場データや広告について分析することができます。

    また、ダウンロード数、収益、利用状況、エンゲージメントといった指標について、自社アプリと競合のパフォーマンスを比較することも可能です。ダウンロード数についても、国別・カテゴリ別に分析し、いま最も成長している市場を見つけることができます。

    出典:信頼できるインサイトが得られるモバイル市場データ

    ADJUST

    135,000 以上のアプリが Adjustのモバイルアプリの効果測定などを含めた各種ソリューションを活用しており、 data.aiと同じく有名な競合調査ツールです。

    ADJUSTを利用することで以下のような情報を得ることができます。

    • ユーザーがどのように広告と関わっているか (インプレッション数、クリック数、インストール数)
    • ユーザーがどのようにアプリに到達したか、アプリ上での行動履歴(アプリ滞在時間、アプリ内イベント、アプリ内収益)
    • 最も価値の高いユーザーとキャンペーン (顧客生涯価値(LTV)、コンバージョン率、広告費用回収率(ROAS)

    出典:モバイル計測パートナー

    apptweak

    AI を活用したキーワード調査や、競合アプリの分析などが可能です。各プランには無料トライアルもあります。

    Scale プランでは AI によってアプリの収益予想が可能であり、 100 か国以上に対応しているので複数か国へ提供する予定のあるアプリの調査に使えます。

    出典:ASO Intelligence

    2. 他社のアプリのダウンロード数を見るときの注意点

    自社と競合のアプリダウンロード数を比較したり、目標値を設定する際には、以下の点に注意が必要です。

    2-1. アクティブユーザー数やリテンション率はわからない

    アプリが使われているかどうかを表現する指標の一つとして、「アクティブユーザー数」があります。アクティブユーザーとは、「ある一定期間にアプリを 1 回でも起動させて利用したユーザーの数」を表現します。

    運営企業が公開していたり、Google Play で見られる「アプリのダウンロード数」は、累計データであり、

    • アンインストールした(インストールキャンペーンに惹かれただけで、継続利用はしていない)
    • インストールしたものの、ほとんど起動や利用していない

    といったユーザーも数値に含まれています。

    一般的な相場として、継続的にアプリを使い続けているユーザー数は、累計ダウンロード数よりとても低いです。

    他社アプリのダウンロード数を見る際、アクティブユーザー数やリテンション率 (継続利用率) まで把握することは難しいです。

    2-2. DL 数が必ずしもアプリ事業の成功に結びつかない

    アプリを運用する際は、ダウンロード数ももちろん大事ですが、実際に収益をもたらしてくれるアクティブユーザー数のほうがより重要です。

    仮に、広告費用を莫大にかけて宣伝して 200 万ダウンロードされたとしても、90% のユーザーが休眠していたら、企業は赤字の可能性が考えられます。

    また、新規集客や認知拡大が目的であれば、 Web や SNS を利用するほうが、顧客もアプリを DL する手間がなく企業も低コストで運用できるため、双方にメリットがあります。

    マーケティング視点から考えると、ダウンロード数も重要ではありますが、実際のアクティブユーザー数との乖離を防ぎ、アプリの起動頻度が増える施策や課金・決済への誘導などをしていく必要があります。

    また、競合調査・競合分析という意味では、業界上位の企業や決算報告書を元に、施策の実施効果やアプリ経由の利益を追うこともできます。

    3. アプリの競合調査で必要な流れ

    一般的な競合調査の方法は以下のとおりです。それぞれのステップで、具体的にどのような観点で調査をするのかをお伝えします。

    1. 競合アプリを選ぶ(同じジャンルを複数選ぶ方が好ましい)
    2. 競合アプリの過去を調査(修正履歴や機能追加など)
    3. 競合アプリの現在と過去を比較(ユーザーからの反応を追う)

    3-1. Google Play/App Store の DL ランキングに着目する

    上記のような注意点はありますが、ダウンロード数が多い競合アプリ・類似アプリはチェックしておきましょう。

    アプリストアのランキングは、以下のような種類に分類されてランキング順が表示されます。

    • 「有料/無料」と表示されている、期間内のダウンロード数からなるランキング
    • 「売上トップ」と表示されている、アプリ内課金額からなるランキング

    また、アプリストアのランキングは、下記のような Web サイトでもみることができます。

    参考:

    APPLION は、 Android/iOS 両方のランキングをカテゴリ別にみることができます。
    Apptopiaはさまざまなニュースや調査を配信している海外企業なのですが、有料会員になることでランキング以外にも様々なデータをみることができます。

    アプリストアのランキングについて、何故その企業のアプリがランキング上位にいるのかを考えると、自社アプリ制作時に反映できることもあり役立ちます。

    3-2. IR 資料やメディアの記事を探してみる

    具体的な競合調査を行う場合、まずは公開されている情報が多い大手企業・先行企業の情報から探すのがおすすめです。上場企業の場合は株主向けの決算報告説明資料があり、一定規模の企業であればプレスリリースで紹介されている場合もあります。

    また、マーケティング系のメディアなどでアプリ運用の事例が掲載されていたり、採用サイト・求人ページにはアプリチームの組織体制について語られていることもあります。

    アプリ経由の売上などすべての情報が開示されているわけではありませんが、

    • 何位の企業がどれほどの数値(アプリ会員数など)を出しているのか
    • どれくらいの人数でアプリを運用しているのか(追いつく・追い抜くために必要なコストを推測する)
    • プッシュ配信やアプリ内のコンテンツ更新はどれくらいの頻度で行っているのか

    といった視点でチェックすることで、自社アプリの数値目標やマーケティング施策を考えるヒントとなるでしょう。

    3-3. 競合分析ツール(外部のツール)でより詳しいデータを調査する

    1-2にてご紹介した外部の分析ツールを利用して、より詳しいデータを知ることができます。

    各社、料金やサポート範囲、接続アプリ数に違いがあるため、自社の調査に必要な分析ツールを利用しましょう。

    3-4.アプリストアの公開レビューと X (旧・Twitter) から「ユーザーが求めているもの」を把握する

    アプリの競合調査でもう一つ重要なのは、Web 上に公開されているユーザーからのレビュー内容を知ることです。

    App Store/Google Play では各アプリにユーザーのコメントがついていますし、X (旧・Twitter) の検索機能を利用すると、さらに競合アプリを利用したユーザーのコメントを探すことができます。

    ポジティブな意見からは「見習うべきポイント」が、ネガティブな意見からは「やらないほうが良いポイント」を知ることができます。

    また、自分で競合のアプリを使ってみながら SNS のコメント・アプリストアの公開レビューを照らし合わせることで、評価の妥当性を把握することができます。便利だと思う機能や使いやすいと感じるデザインが実際に高く評価されていると、自社でアプリを運用する際の参考にもなります。

    アプリ事業の責任者や運用担当者であれば、自分の手で競合アプリをインストールして分析してみましょう。

    img

    4. 自社のアプリのダウンロード数を増やすには?

    競合調査をある程度終えた後は、営業・マーケティングと同様にファネルごとに事業施策を考えることが重要です。

    • 競合調査で市場規模を把握し、ユーザー数の目標を立てる
    • 自社のアプリのダウンロードにつながりやすい宣伝手法を模索する(チラシ配布や SNS 広告などを試してみる)
    • 効果の高い集客手段を見極める(認知を広める)
    • 割引クーポン・ポイント付与や会員特典など、アプリユーザー向けのインセンティブをつける(目標達成のための+α 施策)
    • フィーチャー枠に載るための ASO ※ を研究する(認知+機会損失の防止)

    ※フィーチャー枠に載るための ASO とは:

    フィーチャー枠とは、 App StoreやGoogle Playストア内で独自に行われる特集のようなもので、取り上げられるとダウンロード数を一気に伸ばすことができます。
    ASO とは App Store Optimization の略であり、アプリストアで検索した際に上位表示されるようキーワードやスクリーンショットを最適化することです。

    フィーチャー枠に載るためには、SEO (Search Engine Optimization :検索エンジン最適化)と同様に小手先のテクニックで解決するものではなく、細かく「キーワード」「ダウンロード数」「アプリの利用率」「レビュー評価」の影響を考慮しながら勝ち筋を探っていくことが求められます。

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    また、繰り返しになりますが、ダウンロード数を増やすだけではアプリ事業が成功するとは言えません。 ダウンロード数を獲得するための各施策で得たユーザーが売上につながっているかを計測し、いかに定着して購入し続けてくれるかを工夫して設計・マーケティング施策を行うことが重要です。

    アプリ事業を軌道に乗せるためには、宣伝経路を明確にして以下のようなユーザーの母数を増やすことをおすすめします。

    • 宣伝費用を低単価に抑えて、定着して継続的にアプリを利用してくれるユーザーを確保する(低コスト低リターンだが、顧客数が増えるパターン)
    • 宣伝費用に多少コストがかかったとしても、コストを上回るだけの利益をもたらしてくれるユーザーを確保する(ハイコストハイリターンのパターン)
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    5. まとめ

    ここまで iOS/Android アプリのダウンロード数を調べる方法や、競合調査の方法や注意点などにふれてきました。

    競合アプリのダウンロード数を把握するには専用の外部ツールが必要ですが、必ずしもダウンロード数が全てということではありません。なぜなら、ダウンロード数自体は広告出稿や割引クーポン・ポイント付与などのインセンティブによって稼ぎやすいからです。

    アプリの競合調査を行う上では、見るべきポイントと流れを把握し、競合企業の IR 情報・メディアの記事から SNS のユーザーコメントまで広くチェックし、自社が取り入れられる施策やアプリの機能やデザインなどを洗い出しましょう。

    とはいえ、一定のダウンロード数があってこそのアプリなので、自社のアプリを運用する際はアプリの DL 数を増やす方法も知っておきましょう。

    BackApp では、スマートフォンアプリ黎明期からの開発実績をもとに、さまざまな業種の企業様に “型” を外さないアプリを提供できます。 事業規模に応じてパッケージ提供からスクラッチ開発まで幅広くご相談を承りますので、アプリの新規開発・リニューアルともにお気軽にご相談ください。

    アプリは運用開始からが本番ということを熟知しておりますので、アプリの企画・設計から運用サポートまで伴走させていただきます。

    アプリ事業でよくある失敗とは?
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    • 「アプリをやったことがある人が社内にいなくて相談ができない…」
    • 「Webは運用してるけど、アプリだとどこが変わるんだろう?」
    • 「できれば内製したいけど、やっぱり最初は外注が必要?」

    といったお悩みを抱えている方、iOS/Android アプリの開発プロジェクトを初めて経験する担当者の方などに向けたお役立ち資料を公開しています。