アプリの相場

「それ、事業として成立しますか?」スマホアプリ開発の前にまず考えたい“ビジネスの仕組み”と“利益の出し方”

「アプリは一攫千金」「同業で、儲かっているらしい会社がある」「経営陣からせっつかれている」——そんな雰囲気のままでアプリを開発しても、投資分すら回収できずに終わってしまう事例が多々あります。

アプリが失敗する原因は大きく分けてもいくつか種類がありますが、「そもそも企画の時点で事業として成立していない」という場合もあるように感じています。

私は Web 業界で新規事業をいくつか経験してきましたが、アプリ事業はやっぱり難しいと実感することが多かったです。

そこで、今回は Web サイトのアプリ化というよりは事業としてのネイティブアプリを想定し、「そもそも今検討しているアプリ事業は、ビジネスとして実現可能なのか」という視点で最初に整理すべきポイントをご紹介します。

新規事業を何度も経験されている方であれば当たり前の内容ですし、「いやいや、こういう知識よりも本質的に大事なのは〜」という話で盛り上がることもできると思いますが、まず最初は基本から整理しておきましょう。

ビジネスとしてまず考えるべきポイントを改めて確認

「まったく新しい価値やライフスタイルを提案すること」や「世の中を帰ること」を目的とした社会実験のようなアプリを開発するスタートアップ企業の場合は、まずアプリを公開して反応を見ることが大切です。

ですが、ほとんどの企業・担当者様が考えているアプリは「優良顧客を増やすこと」「売上を伸ばすこと」が目的となるため、アプリを開発、運営していくにあたってもビジネス性が重要になります。

アプリに限らず、新規事業を生み出す際にまず考えるべきこと、調査すべきことは

  • そのアプリを開発したとして、使いたがる顧客がいるのか
  • 使いたがる顧客がいたとして、十分な数なのか
  • 十分な顧客がいたとして、売上につながるのか
  • 十分な売上が出るとして、運用・維持費を上回るのか
  • 初期投資分を回収するまでのキャッシュ・フローは十分にあるか
  • 何を競争力として差別化し、この計画を実現させるのか

という点です。

「実際に使ってくれる顧客がいるのか」という点に関しては、事前調査で参考となるデータを取ることもできますが、明確にしきれない部分も多いです。

これは余談にはなりますが、アンケート調査というのはとてもマーケ泣かせで、対面でヒアリングしたときやプロトタイプを使ってもらったときなどは特に “相手に余計なことを考えさせている” 状態になってしまいます。その時点で、フラットな状態で初めて触れたユーザーの声ではなくなるとともに、実際には好感を抱いていなくても「面白いですね! リリースされたら使ってみたいと思います!」というようなリップサービスも増えていきます。

需要があるかどうかは α 版や β 版公開後のデータから見るとして、まずは次のように考えていきましょう。

「どれくらいの市場なのか?」

まず重要なのは、どれだけの人や金額が動いている市場に向けて公開するアプリなのかということです。

アプリの場合ですと、App Store と Google Play を見れば競合となるすべてのアプリの「おおまかなダウンロード数」「ユーザーからの評価」を見ることができます。さらに売上ランキングを見れば、あるジャンルのアプリの中での序列もわかります。

参考:競合のデータを調べよう、アプリストアからわかること(うちのブログの記事)

そして既にある程度の結果を出している上場企業や成長企業であれば数字を公開していることが多いので、事業を始める前には必ずチェックしておきましょう。

どちらも必ず正確な数値とはいえませんが、競合のシェア、DL 数、レビューから売上を推定することで、ビジネスプランを設計する際にある程度は具体的な目標を立てられるようになります。

ポーターの基本戦略

そもそも、狙う市場を設定する際には

  • 競合と戦う道(市場規模は大きいが、ある程度のシェアを奪えなければ事業が成立しない)
  • 競合と戦わない道(市場規模が小さく、ユーザー数や売上額の限界値が低くなる)

という二つの選択肢があります。

市場規模が大きくなれば当然一攫千金のメリットはありますが、たとえば上位にいる大手三社がそれぞれ 3 割ほどのシェアを握っている場合、短期〜中期的に手にできる売上には限界があります。そしてレッドオーシャンの中でどう成長させていくか・シェアを握ったときにどう守るかという戦略がとても重要になり、少なくない投資も求められます。

一方、ある市場の中でもどこかに特化するなど、ブルーオーシャンを見つける、あるいは創り出すという道もあります。競合が少なければ当然、多くない投資で過半数のシェアを取ることも難しくありません。ただ、あまりにもニッチすぎる場合、50〜100% を占めたときでさえ売上規模はそこまで大きくならないかもしれません。

さらに、もう一つ大きな選択があります。

  • コストの低さが売り(低コストを維持しながら顧客数を増やす努力が必要)
  • 独自の体験が売り(高いと思われても買いたくなる価値を提供する努力が必要)

と、顧客に提供する価値をどちらに寄せるかです。

アパレル業界、飲食業界の “ファスト” ブランドでは熾烈な価格競争が続いている一方、ラグジュアリー路線やオーガニック路線で値下げをせずに戦うブランドもあります。

アプリに関しても、競合がまったく存在しない勝負などほとんどありません。アプリのゴールを突き詰め、「どこを狙っているのか」「どうやって狙うのか」という二軸で自社の立ち位置を明確化することが大切です。

ビジネスモデル別・アプリ事業における利益を出す仕組み

アプリから生み出される売上としては

  1. 広告
  2. アプリ内課金
  3. 自社製品・サービスの直販
  4. プラットフォームとしての利用・仲介手数料
  5. データ販売・マーケティング調査費

に分かれます。

アプリ内課金といっても幅広く、月額課金などで有料ユーザー登録を促す定額課金モデルと、ゲームのような従量課金モデルがあります。

アプリ内の取引・ユーザーのデータの統計を取り、マーケティングデータとして販売する 5 番のみ特殊な形となりますが、基本的なアプリの売上は

  • 売上 = アクティブユーザー(AU)数 × 平均単価

という計算式になります。アクティブユーザーとは、「アプリをインストールした上で、継続的に起動してくれる」状態にある顧客、すなわちファンになってくれた優良顧客ということです。

そして、さらに分解していくと、

  • 広告モデルの売上 = AU 数 × 訪問頻度 × ページビュー数(≒ 滞在時間)
  • アプリ内課金モデルの売上 = AU 数 × 課金ユーザーの割合 × 購入単価
  • 直販・EC 型の売上 = AU 数 × 購入頻度 × 平均単価
  • 手数料モデル型アプリの売上 = 取扱総額(AU 数 × 取引頻度 × 取引単価) × 利率

という風に考えることができます。

アプリはインストールという壁があるため、Web や SNS に比べるとユーザー数は低くなります。ですので、一般的にはいかにして “頻度” や “単価”、あるいは “課金率” ...

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開発後にかかる宣伝費用の目安は?iPhone/Androidアプリのインストール広告を比較

「アプリ開発の費用は?」という質問と同様、「つくったアプリを ○ 人にインストールしてもらうための広告費っていくらくらいかかるの?」という相場も、おそらく気になる方が多いと思います。

しかし、多くの制作会社・広告会社は「一概には言えない」と答えると思います。

広告の費用は、他の企業もたくさん動く時期であれば当然高くつきますし、時期によって大きく左右されます。さらに、そもそもどんなアプリなのかというジャンルによっても変わります。

また、「そもそも事業として成り立つか検証しよう(ブログの記事)」という記事でも書かせていただきましたが、「アプリ経由で売上を立たせるためにはどれだけのユーザーが必要か」という視点で、まず目標を設定することが重要です。目標値が定まれば、リリース後にかかる広告費用の目安は逆算して出すことができます。

とはいえ、逆算して出すにも今や Web 上の広告だけでもたくさんの種類があり、どれを選んでいいかが判断しづらくなっています。

そこで、今回は目標が定まっているという前提で、アプリをダウンロードしてもらうためのインストール広告および PR 施策それぞれの違いを紹介します。

まず知っておきたい Web 広告の仕組み

Web 広告がマス広告や紙の広告と異なるのは

  • ごく少額からでも配信可能
  • 配信するターゲットを細かく指定できる
  • 配信後に広告を修正できるものもある
  • 運用の良し悪しで費用対効果が大きく変わる

という点です。数千円~数万円単位から始められるので、小規模なアプリ事業であっても利用できるのがメリットです。

そして、最初は戸惑う方も多い “入札” というシステムが特徴的です。

多くの Web 広告を配信する際は、まず “予算” と “入札額” を設定します(※入札額は自動化もできます)。

自社が配信したいターゲットには、当然ながら競合他社が存在します。もし競合他社が「お金はかかってもいいから、とにかくたくさん広告を出したい」と考えて入札額を高くした場合、ユーザーの画面には競合の広告が頻繁に表示されます。

ただし、入札額が最も高い企業のみが広告を配信できるわけではありません。入札額が低い企業は “表示される割合が少ない” のであり、少しずつ顧客に情報を届けることはできます。また、入札額を高く釣り上げてしまうと最終的に費用対効果が悪くなってしまうため、広告を配信しながら最適な価格に調節していくのがポイントです。

そして、実際にアプリをインストールした顧客の数、あるいはアプリストア(App Store, Google Play)にアクセスしてくれた顧客の数 × 入札額、という金額を支払うことになり、設定した “予算” に到達するまでこの流れを繰り返します。

プラットフォームへの広告配信の概要と相場(Google, YouTube, Yahoo)

出稿料金:自社で予算を設定可
※アプリのインストールやサイト(ストア)への訪問ごとに費用が発生
※Google は運用の自動化が進められている

インストールされるたびに課金というシステムは費用対効果がわかりやすいですが、1 件あたりの単価が数百~案件によっては数千円と、見た目には高くなりがちです。ただ、1,000 円の広告費で 10 人がストアにアクセスしてくれたとしても、1 人しか実際にダウンロードしてくれなかったとしたら、CPI(Cost Per Install = インストール 1 件あたりの費用)はかえって高くなってしまいます。

「ストアにアクセスしてもらえれば多くの顧客はその場でインストールしてくれる」というアプリなのか、「いきなりストアに飛んでも離脱する人が多そう」というアプリなのかを見極めて広告キャンペーンを設定することが、広告費を抑えるポイントです。

メリットがある業種

Google AdWords は、2017 年 11 月からアプリインストール広告の “自動化” を進め、初心者にとってはかなり使いやすいものになりました。

Google Play と Apple App Storeの掲載情報から広告が作成され、ターゲットや入札単価なども機械学習で自動最適化されていくので、広告を出したことがない企業も簡単に自社のアプリを宣伝することができます。

国内最大規模のポータルサイトを運営しているYahoo も当然、膨大な顧客データを持っているため、今後 Google 同様に自動化された広告プログラムの登場に期待がもてます。

また、多くの Web 広告は、インターネットに日常的に触れている顧客にしか届きづらい(新聞・雑誌を中心に情報収集をし、スマホアプリは必要なときにしか使わないという中高年に届きづらい)というデメリットもありますが、Google AdWords や Yahoo!Japan の広告はその欠点をカバーしています。

ですが、Google は Google Play や YouTube など幅広いサービス内に広告を配信でき、Yahoo!Japan はあまりインターネットを日常的に利用していない層でも普及率が高いため、他の方法では接触できない顧客に情報を届けることができます。

平均 CPI を下げ、費用対効果を上げるコツ

紙の広告と同様、ターゲットを明確に設定した上で広告の文面や画像・動画を用意することが重要です。

Google に出稿する場合は、アプリストアの説明文やスクリーンショットがそのまま使用されるため、もう一度内容を見直しておきましょう。さらに動画を用意すれば ...

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スマホアプリの公開後にかかる費用とは?リリース後の保守運用・メンテナンスコストを想定しておこう

アプリの費用、相場観を考える際には、“開発” のためのコストに目がいきがちです。

しかし、アプリ事業は公開してからが本当の勝負の始まり。維持するにも、バージョンアップをするにも、当然ながらコストがかかります。

そこで、今回はアプリの企画段階で「公開後のためにはどれだけ予算や人員を確保しておくべきか」という視点が持てるよう、アプリ公開後にかかってくる運用コストの種類と考え方をご紹介します。

開発コストの記事でも書かせていただきましたが、制作会社が「うちが考えているアプリだとどれくらいの費用になる?」という見積もりを求められたとしても、完成系のイメージを正確に共有できなければ、金額はアテにならなくなってしまいます。ですので、費用の種類と考え方を知っていただくことで、アプリ事業のチーム内である程度の想像ができるようになることが一つのゴールではないかと考えています。

運用している限りは毎月かかるサーバー代

運用コスト:毎月定額(Web サイトを運用中であれば目安にはなる)

Web サイトと同様、アプリもインターネット上にデータベースを持つわけですので、当然ながらサーバー利用料は毎月必要になります。

サーバー代は基本的に規模(ユーザー数)に応じて値段が上がるものなので、小規模なアプリであればあまり大きな金額にはなりません。しかし、順調に成長したときには素早く増強の判断を下し、コストをかけていく必要があります。

また、大規模な広告キャンペーンを始めた場合やメディアに取り上げられたときなどに増強が求められるのは Web と同じです。特にアプリは既存顧客と良い関係性を築くことが目的になることが多いので、サーバーのダウンには気をつけたいところです。

追加開発・保守・メンテナンスの費用

運用コスト:アプリの規模(ユーザー数や機能数)に応じて頻度が上昇

ごく限られた用途のシンプルなアプリであればあまり必要ないかもしれませんが、ほとんどのアプリは公開後、ユーザーからのさまざまな要望が届きます。

ユーザーが普段使っている他のアプリに比べ、「探しづらい」「待ち時間が長い」といった動作面での不満があるかもしれません。そして、もしかすると企画会議の段階で「これは必要ないんじゃないか」と切り捨てた機能が、ユーザーにとって「何故ないのか」「ないと困る」ものだったかもしれません。

さらに、自社のスタッフが誰も使っていない、あるいは開発チームで事前に動作テストをしていなかった Android 端末でのみ、クラッシュなどのバグが発生しているかもしれません。

どれだけ経験を積んでも、新規サービスは出してみなければユーザーの声がなかなか予想できないものです。このような事態に備えるため、アプリの開発後も自社あるいはパートナー企業に、追加開発ができる体制を整えておくことが重要です。

ですので、アプリ公開後の運用コストの中には欠かさず、アプリの規模に応じた “追加開発・メンテナンス費” も見積もっておきましょう。

iOS/Android のアップデートに要注意

追加開発と似た項目ですが、こちらは保守・メンテナンス作業の規模が大きくなりがちで、回避することが難しいものです。

私たちが開発するアプリと同様、スマートフォン自体も、より便利になるように Apple 社と Google 社によって定期的に更新されています。

ですが、OS がアップデートされると、今まで問題なく動いていたアプリに予期せぬ不具合が起きることもあります。iOS のアップデートによって不具合が起きた場合は、アプリユーザーの多くが影響を受けてしまうため、素早く対処することが求められます。

今までの主要なアップデートの歴史は

iPhone, iPad

  • iOS 9.0 (2015 年 9 月)
  • iOS 9.2 (2015 年 12 月)
  • iOS 10.0 (2016 年 9 月)
  • iOS 10.1 (2016 年 10 月)
  • iOS 11 (2017 年 9 月)

Android

  • Android 4.1 – Jelly Bean (2012 年 7 月)
  • Android 4.4 – KitKat (2013 年 10 月)
  • Android 5.0 – Lollipop (2014 年 11 月)
  • Android 6.0 – Marshmallow (2015 年 10 月)
  • Android 7.0 – Nougat (2016 ...
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「そのこだわり、本当に必要ですか?」制作会社が考える、スマホアプリのデザインの作り方

アプリを開発するとき、すべてを制作会社に外注せずに作業を分担するケースもあります。企業によっては「エンジニアはいないけど、デザイナーは社内にいるから」と、デザインは自社でやりたいということもあるでしょう。

もちろん、社外の人間よりは自社の風土をよく知っている社員にデザインをしてもらったほうが、アプリの仕上がりも自社らしくなるはず。

ですが、出来上がったデザインイメージで開発を進めてもらおうと制作会社に渡した際、思わぬトラブルが起こることもあるのです。

そこで今回は、「デザイナーは社内にいるが、アプリの経験はない」という企業様向けに、まず押さえておきたい iOS/Android アプリのデザインの作り方、および進める上での注意点をご紹介いたします。

iOS/Android アプリの経験がないときにやりがちな失敗をまず防ぐ

アプリのデザインの作り方としては、まず iPhone/iPad/Android についての理解を深めることが重要です。

極端な事例ですが、たとえば iOS 端末を想定し、画面の下部にアプリのメニューバーを置くデザインラフをつくったとします。続けて Android アプリも開発しようとした際、「頑張ってつくったから」と、iOS のデザインをほぼそのまま使おうとしたとします。

しかし、Android は画面の下部に独自のナビゲーションメニューが固定されているので、iOS のデザインをそのまま使うとメニューバーが二重になってしまい、とても見栄えが悪くなります。こういった “明らかに違和感がある” デザインはストアの公開レビューなどにも悪影響を与えるため、避けたいところです。

次に意識すべきは、「紙に描いたデザインがそのまま実装できるわけではない」という点です。

Web やアプリの開発は、デザイナーから受け取ったデザインイメージの通りにできるわけではありません。ですので、Web の経験がないグラフィック系のデザイナーがイメージを作成した際は、技術的に実装できない部分や、実装はできるもののかなりのコストがかかる部分がどうしても出てきます。 そうなると何度もデザインの修正・すり合わせが必要になったり、見積もりを作り直す事態になったりします。

そして、Web サイトのデザインを経験している人でも、アプリのデザイン経験がないとトラブルが起きることはあります。

Web サイトのアプリ化に近いハイブリッドアプリであれば似た感覚で進めることができますが、ネイティブアプリは別物です。その際は、ネイティブアプリで実現できる画面構成やアクションを理解しておく必要があります。

さらに開発に近い専門的な話になりますが、Android は画面の解像度が異なる端末でも均一に見えるように db という仕組みが使われているため、デザイナーが普段通り px(ピクセル)単位でサイズを指定していると、開発の現場が混乱してしまいます。また、マージンに関しては Web のようにパーセンテージで指定することができないため、固定の数値を指定しなければならないといったルールもあります。

デザイナーが納品するファイルのリスト・形式・フォーマットは BackApp の事例として下記の記事にまとめてあります。ぜひご一読ください。

手間はかかるが、iPhone/Android アプリは特にデザインが重要

別の記事で詳しくご紹介させていただきましたが、経験が浅い際のデザインの作り方・進め方を語る上で、まず「どんな風に動くアプリになるのか」を複数枚の紙に描いて表してみる ”ペーパープロトタイピング” は欠かせません。

参考: デザインを洗練させ、アプリの売上を高める!開発前には「ペーパープロトタイプ」をつくろう

特にワイヤーフレームの作成経験がある Web デザイナーが社内に在籍している場合は、スマホアプリ開発の経験がなくてもスムーズにプロトタイピングができるはずです。

とはいえ、iOS/Android それぞれのルールの把握に、プロトタイプ作成——。「デザインだけで、そんなに労力をかけていられない」「大事なのはデザインよりも機能ではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、アプリは Web や SNS とは異なり、インストールしないと観られないコンテンツです。当然、インストールしてくれるユーザーは、ある程度会社や製品・サービスに興味を持ってくれている顧客です。

アプリの目標設定としても「優良顧客(ファン)を増やす」というところに重点を置かれることが多く、デザイン・開発を “お手軽に” 済ませるとなると本末転倒になってしまうというケースも少なくありません。

アプリに限らず、良いデザインを追求するメリットは近年注目されてきており、ちょっとした修正を加えるだけで売上にプラスの効果があった事例などがよくシェアされています。もしデザインを軽視する雰囲気などが社内にある場合は、そういった事例を共有してみるのも良いかもしれません。

また、2017 年末、iPhone アプリを公開する場である App Store で「テンプレートを使って量産されたアプリを受け付けない」という方針が打ち出されたことが大きな話題になりました。その後、規制を緩和する旨も発表されましたが、App Store を運営する Apple 社も、Google Play および検索エンジンを運営する Google 社も、コンテンツの “量産” を歓迎してはいないようです。

コストをかけてもこだわりやトレンドを追うか、ビジネスとして最低限の労力で抑えるか

ただ、「こんなデザインにすれば、ユーザーは満足してくれるはず」という想いからデザインや細部の UX にこだわることは、開発費用だけでなく、開発したアプリの容量や動作速度にも影響します。

たとえば、Web と同様、デザインにこだわる際に重要になるフォント。アプリでも有料のフォントや Web フォントを使うことができますが、ストアからダウンロードする際の容量や、起動したときの読み込み速度には影響を与えてしまいます。最終的な容量や読み込み速度は、こうした “こだわり” の数によっても左右されるのです。

顧客の属性によっては影響を受けないこともありますが、若年層には容量の大きいアプリ・通信頻度が高いアプリが敬遠されがちというトレンドがあります。スマホでインターネットをしている際は速度制限を恐れて YouTube を観ないでおく、新しいアプリをダウンロードしないといった声も少なからず聞かれます。

参考:若者はみんな使っている? 謎のワード「ギガが減る」とは

Web サイトでは AMP 技術の登場もあって「読み込みが速いサイトはユーザーに好感触を与える」という話もたびたび聞かれます。

ですが、作り方にはこうすればいいという正解は少なく、「自社の場合は、何を優先すべきなのか」といった戦略的思考が重要になります。アプリの開発に限った話ではありませんが、やはり “理想” ...

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「iPhone・Androidアプリの見積もり額が平均的に高い」と感じるのは何故?外注・委託時の開発費の相場と値段の内訳とは

さまざまな業種のお客様から、「アプリ開発を考えているからいくつかの会社から見積もりを出してもらったんだけど、高すぎてびっくりした」という声をお聞きします。

最近では、Web サイトの開発は少し相場感がわかりやすくなってきましたが、アプリ開発のコストはまだまだ不透明な面も多いと感じています。

ただ、制作会社としては正直なところ「一概に言えない」「Web よりも出しづらい」という回答になります。見積もりを求められた各社が「こんなアプリになるだろう」というイメージを描いて開発費を計算するのですが、ほとんどの場合はこのイメージにズレが生じます。

つまり、外注時の見積もり金額が各社で異なるのは、どちらかといえば「各社がそれぞれ違うアプリを思い描いている」ことが大きいのです。

そこで、今回はスマホアプリ開発の外部委託を考えている企業のご担当者様向けに、まず押さえておきたいポイントを整理していきます。

「◯◯のようなアプリ」という参考があれば、外注時の相場観がわかりやすくなる?

そもそも Web サイトのアプリ化に近い案件と、iPhone / Android ならではの機能を実装するフルスクラッチ(ゼロから)の開発では、制作会社の労力がまったく異なります。

BackApp としましても、「御社のアプリ開発費用の相場は?」と聞かれた際には、「ジャンルによってある程度の目安はあるが、お客様の目的に応じて実装する機能の一つで大きく変わる可能性があるため、確約はできない」という回答になります。

また、インターネット上には「◯◯系のアプリの相場はこれくらい」という情報もありますが、私たちとしては「多くのアプリは平均的にこれくらいの金額で開発されていると思うが、お客様が検討されているアプリにも当てはまるとは限らない」という感覚です。

たとえば「カタログアプリに比べるとゲームアプリのほうが高い」というのは、前者は既存の Web サイトを活用することが多く、後者はほぼ確実にゼロからの開発になることが理由だと思います。また、恋愛系や占い系はプロフィール情報の精度やおすすめ(データ解析)機能が重要という風に「よく使われる機能」をベースに開発費を概算することが多いかと思います。

極端な話、カタログアプリは相場が安いと言われているからといって、さまざまな機能をリクエストして見積もりを出してもらった場合は、多くの会社から予想以上に「高い」金額が返ってくるのではないかと思います。

見積もり金額の内訳で大きいのは「アプリならではの機能」の値段

たとえば、お客様からよくご相談をうける案件としては

  • 会員登録機能(=アプリの会員で専用のデータベースを構築)
  • 決済・購入・アプリ内課金機能
  • オークション(出品 / 入札)機能
  • 地図上からの検索 / 地図上での店舗・物件のマッピング
  • アプリ上でのメッセージ(チャット)機能
  • 特定の属性のユーザーのみに対するプッシュ通知機能
  • Web サイトとは違うテーマでのデザイン・ブランドイメージ制作

などが必要になるアプリですと、開発費用はその分上がっていきます。「なんでこんな高い値段になるの?」と気になった際は、内訳を聞き、コストがかかる機能をいったん保留してスモールスタートするというのも一つの手段です。

とはいえ、「Web サイトとほとんど変わらないようなアプリなら、いくら安くても開発する意味がない」という気持ちもあると思います。
ですので、見積もりが高いと感じた際には

  • 決済 → 既存のシステムを使う
  • 会員登録 → SNS アカウントでログイン / Web と統合 など

という風に、アプリ側ではなくユーザーごとにアカウントを連携してもらう仕様にすることで、開発費を抑えるというような工夫もできます。

また、デザインに関しては「社内にグラフィックデザイナーがいるから、自社でやるつもり」だという企業様も少なくないと思います。委託する作業が減ることで当然見積もり金額も下がりはしますが、「紙に描いたデザインイメージがそのまま実装できないケース、あるいはそのまま実装しようとするとコストが跳ね上がるケースもある」という点には注意していただければと思います。

参考:「機能」ばかり考えて「デザイン」が疎かになっていませんか?アプリのデザインが売上に与える影響とは

意外と知られていない「iOS と Android は別世界 = 開発費用も別」という事実

そもそも、iPhone アプリと Android アプリの開発は、レディースファッションのデザインと、メンズファッションのデザインくらい大きく異なるものです。

もちろん両方開発できるエンジニアもいますが、平均的なエンジニアが両方対応することは難しいため、iOS と Android のアプリを同時に開発する際は人件費=見積もりの価格も上がります。アプリ開発は「Web サイト制作に比べると高い」と言われがちですが、一人のエンジニアが近しいコードで PC サイトもモバイルサイトも構築できる Web とは比較しづらいといえます。

極端な話ですが、「この見積もり金額は高い。ウチでは出せない」と感じたら、まず iOS か Android のみで開発・運用をスタートすると、コストはおよそ半額になるということです。
Android は格安機種が多いことから若年層が多く、iOS は情報感度の高い層が多いなど、所持するユーザー層に違いがあります。ですので、今検討している企画のターゲットがはっきり絞れている場合は、片方のみでスタートしても十分効果が出る可能性もあります。

まずは片方のみを開発し、売上をあげつつ運用のノウハウも身についてから満を辞してもう一方の開発に着手…という戦略も、十分検討の余地はあるのです。また、Web サイト自体にまだできること・ポテンシャルがある場合、まずは Web や SNS に注力するという戦略もマッチする場合がございます。

「アプリ開発を委託したいが相場感がわからない」とき、まず押さえておきたいポイントまとめ

  • 「どんなアプリになるか」を正確に設計できるほど、相場・平均金額に近づく
  • 既にあるデータベースを使うなど、企画を整理することで値段を抑えるという工夫も
  • 「どの機能がコストなのか」という内訳を聞いても教えてくれない会社は危ないかも
  • iPhone, Android で特性が異なるので、労力=値段も倍になる
  • まずは iOS/Android 片方だけでスタートするという事例も少なくはない

BackApp では企画段階からお客様の狙いをしっかりヒアリングし、ただのアプリ開発の外注ではなく「ビジネスとしての施策提案」をさせていただきます。

見積もり依頼はもちろん、どんなアプリにすればいいのかをまず改めて整理していきたいという場合も、ぜひお気軽に相談ください。

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