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iOS/Android アプリの「内製」「外注・委託」それぞれのメリットと費用相場

アプリにかかる費用について
2024.01.18
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    「顧客との関係性をより身近にしたい」「接点を増やしたい」という課題によって、多くの企業様から自社アプリ導入のご相談を受けています。その中で、「内製か、外注か」という論点も出てきます。

    内製するほうがメリットが多いと思いつつも、自社でアプリ開発ができるリソースがない、あるいは部門がない場合は決断が難しいものです。また、外注するにもどういったところで何に気をつけていいのか不安がたくさんあるかと思います。

    そこで今回のブログでは、アプリの内製・外注それぞれのメリット・デメリットについてまとめてみました。外注する際のコストを抑えるポイントもお伝えしていきますので、ぜひご参考にしてみてください。

    1. iOS/Android アプリ開発費用の相場

    SPDLOAD では、以下のように開発費用を挙げています。作りたいアプリの種類によって費用と開発工数が変わってきますが、業態によってある程度イメージはしやすくなるため、平均的な金額が算出できます。

    • 飲食店アプリ
      $40,000 - $150,000
      開発工数:900 h

    • Eコマースアプリ
      $60,000 - $250,000
      開発工数:1,600 h

    • ソーシャルアプリ(Instagram など)
      $50,000 - $300,000
      開発工数:1,200 h

    • 小売店舗アプリ
      約$40,000 - $150,000
      開発工数:約 900 h ~ 1,200 h

    出典:How Much Does It Cost to Build an App in 2024

    1-1. アプリ開発費用の内訳

    アプリ開発費用の内訳は、「人件費」と「開発費」さらにリリース後に発生する「保守・運用費」に分類されます。

    「人件費」については、アプリ開発要員の実力や経験でコストが大きく異なります。
    「開発費用」は、「ノーコード」や「フルスクラッチ」など、開発手法によってアプリで実現できる内容と費用が異なります。
    また、一口に「保守・運用費」といっても、アプリストア登録の更新費用から宣伝広告費まで多岐にわたります。

    詳しくは下記の記事をご覧ください。

    【アプリ事業の予算組み】iOS/Androidアプリ開発費用の目安と、外注・委託時の注意点
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    1-2. 制作費用のみで考えれば外注がお得

    内製でアプリを開発するよりも、外注した方が開発費は下げやすいです。
    外注した方が開発費を抑えられる理由は、いくつかあります。

    まず、アプリ開発の開発コストは、「開発工数」×「人件費」で算出するため、「人件費」の部分に焦点を当てると、「自社社員の毎月固定でかかる給与やボーナス」という費用ではなく、外部のエンジニアをまるまる雇う人件費として充てることができるのです。
    iPhone/iPad 版のアプリ と Android 端末のアプリでは開発言語が異なるため、両方の言語に対応できる社員を育てたり、チームごとに人を増やすコストもかかりません。

    また、「開発工数」に焦点を当てた場合も、実現したいアプリに必要な開発手法や工程に詳しい制作会社へ外注すれば短縮できる場合があります。

    ただし、「費用の安さ」のみで依頼をしてしまうと、アプリのクオリティが下がったり、かゆいところに手が届かない部分を改修するための改修費用が増えてしまいます。外注先を選定する際のポイントについては、第 3 章でふれていきます。

    2. 内製・外注それぞれのメリット・デメリット

    iOS/Android アプリを自社や外注で開発する場合のメリット・デメリットについて、以下に詳しくまとめていきます。

    2-1. 内製のメリット

    スピーディーに対応できる

    アプリ運用時に仕様の変更がおきた場合、自社開発の場合ならスピーディーに対応することができます。 外注した場合、仕様説明や費用について両社の認識のすり合わせが必要となり、時間を要します。

    自社にノウハウを蓄積できる

    一度自社でイチからアプリを開発してみることで、設計・コーディング・テストまでの予算やスケジュール感をつかむことができます。 また、リリース後の運用も重要な工程であるため、新機能追加時のユーザーからのフィードバックやアプリの利用データを分析することで、自社のノウハウとして蓄積できます。

    セキュリティ管理のリスクを最小限にできる

    自社で開発する場合、全行程を自社で管理できるため情報漏洩を最小限にとどめることが可能です。 アプリの仕様も社外秘として扱うことが可能になります。しかし外注した場合、アプリの仕様を社外に共有する必要があるため、情報漏洩のリスクが生じます。

    また、コーディングに関しても、外注した場合はセキュリティの規約を企業間で統一する必要があり、自社で予め決めた規則に則ってコーディングした方が開発効率も良いです。

    企業の色をアプリに落とし込むことができる

    「自社の事情は自分たちが一番よくわかっている」という点も、自社開発ならではのメリットかと思われます。例えば、アプリのデザインを企業イメージと合わせたものを採用し、他社と差別化をはかることができます。

    世に出回るアプリの名前を聞いただけで機能やデザインを想像できるのは、企業のアイデンティティをアプリに落とし込んだ努力の賜物と言えます。

    外注することで社外の視点を取り入れるメリットもありますが、デザイン・コンサルティング段階のみ社外の人間に協力してもらい、開発は自社で行うというフローにもできます。

    2-2. 内製のデメリット

    内製のデメリットは、「開発要員の採用・育成・定着の難しさ」に尽きます。

    デザイナーなどの職種でも同じことが言えるのですが、特に iOS/Android アプリ開発に精通したエンジニアを社内に確保し、育成することは容易ではありません。

    アプリエンジニアは常に売り手市場なため、フルタイムで働いてもらう正社員採用だけでなく、副業やフリーランス、フルリモートワークなど多様な働き方を受け入れる必要があります。

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    最初にアプリ事業部門を立ち上げ、その後開発者や教育者の採用など開発体制を整える段階でも備品の整備・ソフトウェアの契約などでさまざまな費用が発生します。すべて内製する場合は開発だけではなく、アプリの設計やマーケティング能力も必要になります。

    ただし、長期的に考えると、自社開発できたほうが将来的には開発スキルアップによって開発スピードが上がり、コストを削減しながら品質を上げていける場合もあります。

    日本国内でも成功しているアプリは内製率が高い ので、アプリの種類や予算・経営ビジョンなどと照らし合わせて自社開発か外注かを選択しましょう。

    2-3. 外注のメリット

    開発期間を短縮できる

    近年、すべてのコードを 1から書いて制作するフルスクラッチ開発ではなく、プログラミングの知識がなくても開発できる「ノーコード開発」にて外注するパターンも多くあります。 「ノーコード開発」は外注費用が安くなるだけでなく、構築したい機能に特化したパッケージ提供によって開発期間が 1〜2 カ月と短いこともメリットとして挙げられます。

    専門業者に依頼できる

    アプリ開発の専門業者へ依頼した場合、自社で対応できない高度な技術を活用することができます。 また、自社で開発チームを作成するには時間とコストがかかるため、即戦力となる業者へ依頼することでコストを削減することができます。

    2-4. 外注のデメリット

    外注先によって技術力やサポートが異なる

    アプリはリリース後が本番といっても過言ではありません。ですが、見積もりを極限まで下げたベンダーに依頼すると、納品した後はほとんど関わりがなくなるかもしれません。

    納品されるアプリの品質はもちろん重要なのですが、さらにアプリリリース後の保守や不具合対応、運用のコンサルティングなどについて、どの程度サポートしてくれる企業なのかも見極める必要があります。

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    優秀なエンジニア・チームに依頼する場合は内製以上に費用がかかることも?

    専門的でより高度な技術を要するエンジニアに依頼する場合は、内製した際とあまり変わらないか、さらに多くのコストがかかってしまう場合があります。

    社外ベンダーの上級のアプリエンジニア一人に稼働してもらう場合は、一ヵ月で 100 万以上がかかります。外注する場合は「格安」のベンダーもリスクがありますが、品質重視で高額な提案をされた際には事業計画を踏まえてよく検討することをおすすめします。

    3. 外注する際のポイント

    まず、前提として「どのようなアプリを作りたいか?」という具体的な考えが必要であり、さらに収益がでるルートまでを想定できるとなお良いです。

    また、 iOS/Android アプリ開発を外注する際、いくつかポイントがあります。

    (1) 作りたいアプリに近い実績があるベンダーを探す

    アプリにも種類があり、店舗アプリや飲食アプリに強い企業もあります。自社が作成したいアプリの分野に強い企業を選ぶと、失敗するリスクが小さくなります。

    (2) コミュニケーションが取りやすい外注先かどうかを判断

    要件定義から外注先へ依頼する場合、自社アプリの詳細な機能や仕様について確認して認識を合わせる必要があります。

    実現したい機能に対して、実現可能であるかの判断ができる経験があり、かつ、要件定義段階から過去の知見を活かして提案できるレベルのベンダーであることが望ましいです。また、質問事項へのレスポンスの速さなども一つの判断基準になります。

    (3) 複数企業に見積もりを依頼すること

    紹介された一社に決め打ちで発注してしまうと失敗するリスクが高まるので、以下の内容を最低でも 3~4 社に見積もり依頼をすることが重要です。

    一番費用が安く済む企業を選ぶのではなく、見積もり費用の中に何が含まれているのかを整理しましょう。

    • 作りたいアプリに近い実績があるか?
    • リリース後の保守や運用にもどこまで伴走してくれるのか
    • 費用面について

    3-1. iPhone/Android アプリの外注費用を削減するには

    繰り返しになりますが、スマートフォンアプリの開発は専門分野で、アプリ事業は運用開始後が本番なので、費用面に重きを置いて一番安い企業を選ぶことはおすすめいたしません。

    「フリーランスに依頼する」という選択肢も聞きますが、近年はクラウドソーシングのセキュリティレベル(個人情報保護や報酬の仮払い制度など)もあがっているとはいえ、信頼できる相手か見極めが難しいことは確かです。 ベンダーを選ぶ際は、スマホアプリの設計〜開発の実績がある企業を複数個所で比較することをおすすめいたします。

    また、アプリ開発費用がネックである場合は、実現したい機能をパッケージ売りしている「ノーコード」や「ローコード」開発も選択肢の一つです。初めてのアプリ事業の 1 年目は、「イチからつくる」よりもパッケージ型の契約をするほうが、メリットは多いです。

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    補助金の活用もおすすめ

    アプリの開発費用は、開発手法にもよりますが決して安いものではありません。ですので、新規導入をサポートする補助金がいくつかあります。

    たとえば「IT 導入補助金」は、中小企業・小規模事業者等の業務効率化や生産性向上を目的とした ITツール導入経費の一部を補助するものです。 このような補助金を活用し、費用の負担を軽減するのも検討してみましょう。

    参考

    4. 他の手段も検討してみる(LINE・PWA・Webアプリなど)

    「アプリ」にはさまざまな種類があり、どの形式で開発するかによって開発費用が大きく変わります。
    ネイティブアプリと比較した際、開発コストを下げる方法として、「Web アプリ」や「LINE 公式アカウント ・ LINE ミニアプリ」を採用することも一つの手段です。

    LINE 公式アカウント

    LINE 公式アカウントは、友だちになったユーザーにスマホのプッシュ通知で継続的に接点を作ることができるサービスです。
    月額 15,000 円で 30,000 人に対して 1 通メッセージを配信できる事が強みです。
    これから企業のファンになり得る顧客を育てる手段として、LINE 公式アカウントを運用し、ネイティブアプリを作成する前段階の経験を積むことができます。

    LINE 公式アカウント料金プラン

    出典:LINE 公式アカウント料金プラン

    LINE ミニアプリ

    LINE ミニアプリは、企業の業種に合わせて必要な機能(デジタル会員証・来店受付・ポイントカード・キャッシュレス決済など)のみ導入されている認定パッケージがあります。
    初期費用や月額利用が 0 円のパッケージもあるため、最小限の機能のみ利用して費用を抑えたい中小企業において有力な選択肢となります。

    参考:LINE ミニアプリ認定パッケージ一覧

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    PWA

    PWA(Progressive Web Apps)とは、ネイティブアプリに近づけて進化させた(Progressive) Web アプリです。

    スマホのホーム画面上にショートカットを作成したり、オフラインで通信したり、プッシュ配信(Android のみ)による情報配信をしたり、といったことができます。
    iOS/Android の両方のコードを書き分けることなく、Web 用の単一コードで開発から管理もできるため、開発や保守費用の削減に期待できます。

    flutter 開発

    flutter (フラッター) とは、1つのコードで iOS と Android の両方に対応させるように変換できるフレームワークです。PWA とは異なり、ネイティブアプリを作れます。

    flutter で外注となると保守・メンテナンスができるベンダーが限られてくるのでリスクもありますが、内製する場合は flutter で始めてみるという選択肢もあります。

    5. まとめ

    iOS / Android アプリ開発において、内製・外注それぞれのメリットとデメリットにふれてきました。

    内製でノウハウを貯めながらアプリ事業を運営できるのがベストですが、多様な開発言語に対応できるエンジニアや運用まで任せられる人員確保が難しいため、専門業者へ外注することも一つの手段です。外注の際は、複数企業からコストと伴走型で相談できて信頼のおけるベンダーを探す必要があります。

    費用面を抑える手立てを考えると、 LINE公式アカウントやミニアプリなど、アプリ以外の手法で顧客との関わり方を構築することを試してみるのもありかと思います。顧客との関係性をある程度構築してから、ネイティブアプリの導入を検討することをおすすめいたします。

    合同会社バックアップでは、iOS/Android アプリだけでなく LINE ミニアプリや Web アプリの開発も手掛けています。

    事業規模に応じてパッケージ提供からスクラッチ開発まで幅広くご相談を承りますので、LINEミニアプリやネイティブアプリをご検討の企業様はぜひ一度お気軽にご相談ください。また、エンジニアの採用・定着なども踏まえた内製化のご相談なども初期開発とあわせてお話できればと思います。

    お手頃価格で簡単に自社アプリを開発~運用するなら
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    • 「自社アプリを考えているが、初期投資を抑えてまずは試してみたい」
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    • 「安すぎるシステムだと動作速度や拡張性などが不安」

    といったお悩みを抱えている企業様に向けて、ノーコードでアプリを開発するサービス「PASTA」を展開しています。